東野圭吾ミステリーズ
(2012年7月期・フジ・木曜22時枠)

脚本・坂口理子(1)、高橋幹子(1)
演出・河毛俊作(1)、澤田鎌作、河野圭太、川村泰祐
小林義則、石井克人、宮本理江子、林徹、村上正典、鈴木雅之
プロデュース・小池秀樹ほか


http://www.fujitv.co.jp/higashino-keigo/index.html





第1話 さよならコーチ〜罠(ワナ)
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アーチェリー部のコーチ・石上と選手の直美。
オリンピックを目指していた二人だが、選考会で落選した後に
直美が自殺。遺書代わりに直美は直前にVTRを残していた。
石上は選考漏れしたことが原因ではないかとするが・・・

物語の骨子としてはとても面白いものが有るのに、何故こうも
面白さが伝わってこないのか。後半は殆ど展開の流れを
傍観していた感じで、最後のサプライズ感も伝わらずに、冗長
さしか残らなかった。

ドラマ自体は古畑任三郎の様な冒頭のやりとり。
ナレーション役を務めるミステリー雑誌の編集長の殺害事件が
最終的には解明されていくという流れなのだろうけど、
果たして最終話まで息切れせず見ていられるか不安な第一話
である。

人生の幕引きを自分で行うのではなく、相手の人生に深く関わ
るために、愛する人に手を下してもらい、その流れを意図的に
誘導であろう直美と、家庭を守ろうとするコーチの短い時間の
中での静かなる駆け引きが展開された格好である。

ドラマとしては、直美自身が意図的に暴走していたのかどうか
が疑問として描かれ、自分を殺すように仕向けていたのか、
それとも一方的に愛する過程で直美がコーチの殺意に気がつい
て、その意図を利用して、直美なりの歪んだ愛の形を表現しよ
うとしていたのか。

ストーカーという先入観を直美自身がうけていたとする事で
上手く視聴者にも印象づけていたし、一見すると刑事が一連の
流れで疑うべき余地が無い様な自殺の流れではある。
妻が妊娠しているという状況が、より主人公に家庭を守らせる
という意志を働かせて、直美排除の流れを加速させたのだろう
けど、終盤の展開の反転具合が思った程興味深く写らず、
古畑任三郎のような興味深いキャラクターも登場しなかった事
で、その過程の描き方も退屈な感じに見えた。

ミステリー雑誌の編集長 …… 中井貴一

石上純一 …… 唐沢寿明 (コーチ)
望月直美 …… 田中麗奈 (アーチェリーの選手)
鈴木和真 …… 西岡徳馬 (刑事)
石上陽子 …… 戸田菜穂 (純一の妻・妊婦)

清水伸、大塚ヒロタ、金澤ゆかり、西本竜樹、石井蒼月

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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