家族八景
(2012年1月期・TBS・火曜深夜枠) Nanase,Telepathy Girl's Ballad

原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠
音楽:野崎良太(Jazztronik)
企画:大月俊倫、菅井敦、丸山博雄
プロデューサー:平部隆明、神康幸、竹園元、深迫康之
監督:堤幸彦ほか
主題歌:南波志帆「少女、ふたたび」

http://kazokuhakkei.jp/





第2話 水蜜桃
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家政婦をしている七瀬の次の職場は桐生家だった。

彰は夕食を前にして歯を磨きたいと漏らす。
七瀬は夕食にすき焼きはを作り始めると、タイミングよく、
柔道部に所属している長男の忠二が帰宅する。一見すると
運動部に所属している彼だが、実は切手収集クラブに所属する
"〜と言いたい"が口癖の草食系男子だった。
そこに祖父の勝美と、その息子の竜一も食卓に着く。

食事での話題は、祖父・勝美の事だった。
定年後2年が経った現在、勝美は目的もなくただ一日中家の中
をウロウロしているだけで、まるで徘徊老人だった。
嫁の綾子は、口数の少ない祖父に対して、今日私の部屋に入ら
なかったか?と尋ね、返事のない祖父が部屋に入って自分の下着
を物色していたのではないかと疑いの目を持つ。
家族は祖父の姿を見て、定年制度はこうも人を変える物なのか
とつぶやく。
そんな勝美は、その話題から避けるかのように目の前のすき焼
きの肉に集中していた。その裏で目を閉じると勝美は現役時代
にバリバリと働いていたときのことを思い浮かべる。

食事中に眠ってしまう祖父に対して、孫の彰は、一日中部屋の
中にいるとアホになるよと告げると、家族中の人たちは、正論
だとし、よくぞ言ってくれたとばかりに声を掛ける。

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桐生家に派遣された七瀬は、退職した後何もせず一日中家の
中を徘徊する祖父・勝美が家族から疎まれている事を知る。
そんな勝美は果たして何を思って生活しているのか。

またしても今回の主人公・勝美はつかみ所のないキャラクターだけど、
取りあえず前回とは違って今回は比較的ありがちなところに
落ち着いていくなど、面白く構成された話だった。

それぞれの内面が丸裸にされる中で、七瀬自身にもお風呂のシ
ーンを挿入させることで、彼女自身も丸裸にされてしまう。

人には理性が存在するので、祖父の妄想が七瀬に対して実際に
行動に出るというのにもやや節操が無い感じだけど、桃を使っ
て上手く、誘導してしまった感じだね。

孫にも嫌いだと言われ、不要扱いされる祖父が実に可哀想
だけど、お花の咲く姿を見ると、何とも言えない微妙な感じ
がしてくるな。

可能性として当然起こるかも知れない七瀬のピンチを上手く
能力を利用して逆転させたなという流れだった。

長男が常に〜と言いたいという昭和の文豪みたいで笑えた。

火田七瀬 …… 木南晴夏

桐生勝美 …… 田山涼成 (父、定年後2年経過、家をウロウロ)
桐生照子 …… 千葉雅子 (勝美の妻、不眠症)
桐生竜一 …… 正名僕蔵 (長男)
桐生綾子 …… 佐藤寛子 (竜一の妻)
桐生忠二 …… 須賀健太 (長男、剣道部、実は切手収集クラブ)
桐生彰 …… 池澤巧 (次男、7歳)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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