家族八景
(2012年1月期・TBS・火曜深夜枠) Nanase,Telepathy Girl's Ballad

原作:筒井康隆『家族八景』(新潮社)
脚本:佐藤二朗、池田鉄洋、前田司郎、江本純子、上田誠
音楽:野崎良太(Jazztronik)
企画:大月俊倫、菅井敦、丸山博雄
プロデューサー:平部隆明、神康幸、竹園元、深迫康之
監督:堤幸彦ほか
主題歌:南波志帆「少女、ふたたび」

http://kazokuhakkei.jp/





第10話 芝生は緑 〜高木家編〜
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市川家の家政婦をしていた際に、隣の高木家からも家政婦の仕
事を依頼され、市川家との契約を終えた後に高木家へと赴任さ
れる。相手の心を覗く際に市川家では着ぐるみを着たように
見えていた家族の姿が、高木家では顔が4倍にして見える事を
知る。

市川家と高木家、それぞれの夫婦関係は最悪で、逆に高木家と
市川家の妻と夫がスワップする形で互いに好意を寄せている
事を知り、七瀬は自分の倫理感の下で、この違和感のある流れ
を修正しようとして、意図的に人を誘導していこうと考える。
果たしてその試みはうまくいくのか!?

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七瀬はねじれのような形で存在している二組の夫婦を自分の
力で結びつけようと考える。いざお膳立てして、二つの夫婦
を入れ替えようとするが・・・

人の頭の中の事が全て分かってしまう七瀬にとって、幻滅の
対象でしかない人間という生き物に対して、そんな七瀬でも
理解できない所があるのが人間であるという所を面白く描き
出した話だった。

まぁ正直こういう結末になるであろう事も想定していたので
驚きはないし、30分のドラマなのでそんなに深いところまでは
描けないだろうと思いつつも、なかなかツボを突いたところで
まとめ上げたと思う。

七瀬はちょっとしたきっかけで人は誘導できると考えていたけど
理解できない行動を取るところもまた人間であり、人間に対する
興味深さは尽きないという感じだった。

七瀬は自分の主観で他人を陥れる自分に恐怖を感じていたのに
完全に開き直ってしまったところが有り、恐い展開になること
も予想していたけど、意外とその辺は上手くまったり感を
引きずったままエンディングを迎えた感じ。

どうしても欲望ばかりのドラマになるワンパターンな
一面は否定できないが、それだけに人それぞれの事情が変われ
ば、これだけのエピソードを披露できるものだなと思わせるもの
が有った。

火田七瀬 …… 木南晴夏 (相手の考えることが読める家政婦)

市川省吾 …… 西村和彦 (37歳、設計士、短気)
市川季子 …… 星野真里 (34歳、専業主婦、トロい)
高木輝彦 …… 大河内浩 (40歳、医師、季子に好意を寄せる)
高木直子 …… 野波麻帆 (37歳、省吾が好き)

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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