大奥 〜誕生〜 [有功・家光篇]
(2012年10月期・TBS・金曜22時枠)

監督 - 金子文紀、渡瀬暁彦、藤江儀全
脚本 - 神山由美子
原作 - よしながふみ『大奥』
プロデューサー - 磯山晶、荒木美也子
主題歌:MISIA「DEEPNESS」

http://www.tbs.co.jp/ohoku2012/





第8話 春日局死す、初の女将軍誕生
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春日局が倒れる中、有功は献身的に看病する。
そんな中で更に場内でも流行病である赤面疱瘡にかかるもの
が出始め、部屋子二名と千代姫の父親であるお楽こと捨蔵も
また病気にかかってしまう。女性にはかからない病気という
事も有り、有功は春日局の隣の部屋に捨蔵の病室を設けて
他の男性とは接触しないよう自分が犠牲になって看病する。

まさに悟りの境地に差しかかっている有功の人間性を抽出する
内容だった。
憎い恋敵の為、そして運命を強引にねじ曲げた相手に対しても
慈悲の心で接する事の出来る有功という人物。そしてその人物
に勝るとも劣らない家光の姿がそこには有る。
この世の中、滅びるとしたらそれは流行病ではなく、人の心
だと考えれば、こういう人たちが居る世の中は、決して滅びない
という事を示唆しているかのようだ。

最期の時を愛する人に会えない辛さが、立場は違えど色んな
所で起きているし、これでもかというくらい運命に振り回され
た人たちの悲哀が伝わってくるところ。そういう時代だから
仕方が無いで片付けるのも悲しいくらいだけど、どの人物も
悲しみに溢れている所が有るので、特定の人物を責められる
状況にない所が皮肉と言えば皮肉。

人は何故この世に生まれてきたのかに対する哲学的な観点から
も、有功はその応えを身をもって示した感じで、力強い運命
や信念を感じるところ。

いよいよ家光が実は女性だったとするネタばらしも行われて、
小さい身体で周りにいる猛者たちよりも、大きくみえる辺り
の多部さんの演技の迫力が伝わってくる所が多かった。

万里小路有功 …… 堺雅人 (慶光院院主)
徳川家光 / 千恵 …… 多部未華子 (家光の子)
幼少期の千恵:庵原涼香
玉栄 …… 田中聖 (有功の弟子)
稲葉正勝 …… 平山浩行 (家光の影武者)
雪 …… 南沢奈央 (正勝の妻)
村瀬正資 …… 尾美としのり (ナレーション)
明慧 …… 駿河太郎 (有功の弟子)
松平信綱 …… 段田安則 (川越藩初代藩主、後・老中)
澤村伝右衛門 …… 内藤剛志 (春日局の部下)
春日局 …… 麻生祐未 (大奥総取締)
徳川家光 …… 岩井秀人 (三代将軍)

お彩 …… 永田沙紀 (千恵の母親)
信綱の妻 …… 生稲晃子 (2人の息子を赤面疱瘡で亡くす)
万里小路有純 …… 小日向文世 (有功の父、公家の当主)

角南重郷 …… 戸次重幸 (御中臈、切腹)
勝田頼秀 …… 夙川アトム (御中臈)
和田正隆 …… 遠藤要 (御中臈)
捨蔵 …… 窪田正孝 (御中臈、古着屋)
堀田正盛 …… 菅原卓磨 (六人衆)
阿部忠秋 …… 柴田善行 (六人衆)
阿部重次 …… 浅田祐二 (六人衆)
太田資宗 …… 井上久男 (六人衆)
三浦正次 …… 朝良晃三 (六人衆)
鶴千代/稲葉正則 …… 西山潤 (稲葉正勝の嫡男)
野乃 …… 荒田悠良 (稲葉正勝の長女)

溝口左京 …… 市川知宏 (新しい御中臈)
松平輝綱(しず) …… 小澤美和 (輝綱の変わりの娘)
矢島 …… 阪田瑞穂 (千代姫の乳母)
酒井忠勝 …… 栗塚旭 (大老 讃岐守)
酒井忠朝 …… 鈴木玲奈 (娘だが息子として扱う)

少女期の野乃 …… 山本舞香 (死んだ兄・正則に代わり男装)

木谷邦臣、松永吉訓、後藤花怜、城土井智大、鈴木伶奈
佐野満弥子、小野愛寿香、内藤邦秋、玉山詩、峰蘭太郎
大矢敬典、吉村心琴

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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