遅咲きのヒマワリ 〜ボクの人生、リニューアル〜 (2012年10月期・フジ・火曜21時枠) 脚本 - 橋部敦子 音楽 - 海田庄吾 演出 - 石川淳一、植田泰史 プロデュース - 成河広明、小林宙、江森浩子 主題歌：Mr.Children - 「常套句」 オープニング：「あなたに」(MONGOL800の曲のカバー) http://www.fujitv.co.jp/osozakino_himawari/index.html

第1話 ３０歳目前。オレの人生やり直せますか？
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

派遣社員として雑用をこなしていた丈太郎は正社員を目標に
していたが良い感触を得ていた課長からは予想に反して難しい
状況である事を伝えられ、派遣契約も切られてしまう。それが
理由で結婚を念頭に入れて居た彼女とも別れ、実家に出戻りを
考える中で、公務員の弟夫婦が既に実家に住んでいて居場所が
ない事が分かる。なかなか次の仕事も決まらない中で、町おこし
として四万十市が地域おこし協力隊の募集をしている事が分かる。
免許と年齢制限程度の条件。期間は3年間。月額13万円の給料
だと言う。四国という遠方だった事も有りあり得ないと考えつ
つも、今の自分の選択の余地は無く、募集する事にする。

脚本が橋部さんということでまず外れは無いと思っていたドラマ。

ドラマとしてのテーマはセカンドチャンスであり、何処にでも
いるような平凡な男性が全く別の環境を通して自分の今後
の行方を占う意味でのチャレンジ物語。

東京などの都心部と比べて地方の特徴・特性を活かした人間
関係が、主人公らの今後の決断に於いてどんな影響を及ぼして
いくのか。

ドラマとしてのセンスを感じさせるのは、全く知り合いではないもの
同士の初回の出会い方とか、その後の人間関係の形成に有ると
思うので、そういう意味ではありふれた形ではあるけど、まずまずの
雰囲気が有ったなと思う。

初回は 日下さんが話した事が全てだった。
都会よりも人が身近に居る分、死も身近であること。
これを実感させるのは、丈太郎だけでなく、この土地の出身者
でも有る医師のかほりにも同時に伝えていく辺りの妙を感じる
ところだった。

ただ都会の孤独死の問題も存在しているので、地方の孤独死の
問題も含めて全国的に希薄になりつつある人間関係が、そんな
問題を浮かびあがらせているのだろうなという感じだったね。

やや違和感が有ったのは、木村文乃さん演じる春菜の存在。
この人がもう少し良い感じで、丈太郎との恋に発展しそうな
出会い方でもすれば良かったのだけど、ちょっと唐突感があった。

また丈太郎を引き留めるための演出は、鯉のぼりを見せなくても
四万十の自然を見せるだけで十分インパクトの有る映像だった
だけに、逆に鯉のぼりの演出が邪魔に思えた。

3年間の契約だけだと結局、地域おこし協力隊に応募する人も
少ないのではないかという感じがする。まぁ本人が何かを
掴めれば良いけど、3年間を通してただ食いつなぐための通過点
だとすると、単なる時間の浪費以外に他ならないからね。