遅咲きのヒマワリ 〜ボクの人生、リニューアル〜 (2012年10月期・フジ・火曜21時枠) 脚本 - 橋部敦子 音楽 - 海田庄吾 演出 - 石川淳一、植田泰史 プロデュース - 成河広明、小林宙、江森浩子 主題歌：Mr.Children - 「常套句」 オープニング：「あなたに」(MONGOL800の曲のカバー) http://www.fujitv.co.jp/osozakino_himawari/index.html

第4話 大切な人の気持ち、判っていますか？
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順一は地元商店街を何とか昔のような活況を取り戻したいと
考えて、サーファーたちが気軽に泊まれる宿を商店街に
作って人を呼び込もうと考える。商店街の会合の際にその
計画案をみんなにプレゼンするも、商店街の役員たちは、
端から商店街再生に諦めていて、寧ろ東京から来た丈太郎の
意見を聞きたいとして、ろくに話も聞かれず苦汁をなめる
事になる。

いつの間にかこの町の人、この町自体に親しみを感じていたとする
丈太郎に対して、この町の人やこの町は丈太郎に対してどのような
視線で眺めているのか。
安易な形でこの町の事を眺めている外部の人・丈太郎が、
順一の人生を通して、町の現状を知るという感じのエピソード。
町の人たちが丈太郎に求めている救世主的な視線というものを
ひしひしと感じる物が有るし、これまでの流れでは少なからずその期待に
答えようとしている丈太郎の姿は有った。

今回、順一とさよりの地元組と一度は東京に出て人生経験をしてきた
丈太郎とかほりの温度差というものが面白く現れた話でも有った。

地元組の順一とさよりは共通項も有るけど、それを一緒くたに扱うのが
難しいとされるそれぞれ個々の問題が存在していて、必ずしも同じ方向性を
持っていない辺りが展開上の皮肉として写る。

恋愛事情というのもドラマとしてはなかなか興味深い作り。
かほりが意図していなかったとしても、彩花の口まねのような格好で、
"いいんじゃない"と語る辺りのやりとりは面白かった。
彩花のそんな他人行儀の言い方が彼女の現在の気持ちが何処にあるのかを
分からなくしている感じだし、先週墓参りのシーンが有ったけど、それ
以降時間が止まっているであろう事情は、彩花もこの群像劇の中で例外では
ないことを示唆している様で興味深く作られている。

メンツにばかり拘る夫を持つさよりとしては、家庭に安住している事への
違和感と共に久しぶりに恋愛感情を抱きそうな順一という存在を通して、
かつてファンクラブが有った頃の華やかな時代を思い起こさせるものが
有るのだろう。そんな時代の期待に満ちた未来像と現実とのギャップに悩んで
いる姿というのもとても共感出来るモノが有る。

春菜の事情も今回ようやく描かれ、不倫関係に有る事が明らかになった。
丈太郎への拘りは、地元を捨てて東京に一緒に連れ出してくれる人物
としての意味合いが有るのかなと思って見ていたのだけど、単なる現実逃避
だった感じ。結局この男性も妻とは別れると言いつつも、子供が居ると
なれば容易に別れる事は出来ないだろうし、子供や家庭の姿を春菜が
見る事で、ドラマ「結婚しない」の天海祐希さん役的な身の引き方をしていく
ものが有るのかなと思わせる。