PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん! (2012年10月期・フジ・月曜21時枠) 脚本・古家和尚 演出・鈴木雅之、平野眞 音楽・佐藤直紀 プロデュース・牧野正、村瀬健 主題歌：The Rolling Stones「Jumpin' Jack Flash」 http://www.fujitv.co.jp/PRICELESS/index.html

第2話 貧乏って弱いの？
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金田一は一日500円で泊めてくれる幸福荘の一厘との出会いに
よってとりあえずホームレスにこそならないものの、無職の
彼が500円を稼ぐことの難しさを実感していく。
そんな中で、魔法瓶販売会社経理部の彩矢は金田一がカラ
出張をしているのではないかとして、9月10日の大阪出張を
調べる。その日は金田一が会社から情報を盗み出した日だと
された日でもあるが・・・

古家和尚さんの印象は、CGをドラマに多く使用する脚本家さん
だなと思っていたけど、ここの所比較的CGに頼らずヒューマン
ドラマを構成している印象が強かった。しかしちょっとしたコメディ
的演出では、このドラマのような多様するシーンが多いね。
ちょっと食玩のエピソードに於ける演出はかなりしつこかったけど、
彩矢が犬のように、飛び交う食玩に目を奪われる感じは一瞬にして、
このキャラクターの魅力を惹き付けるに役にたった感じ。
今回は金田一の仲間になるべく、彩矢もまた解雇されるという内容
だった。この人も、相当貧乏生活を歩んできている感じで、雑草の
見分け方にも精通している所など、都会のサバイバル生活に於いて
即戦力になりそうな感じだ。ただこのキャラクターは、デイトレーダー
としてのスキルが有りそうだし、一日500円の収入くらい訳が無さそう。

ドラマとしては、どのようにして会社を解雇された二人が不正の証拠
を掴んでいくのかという事だろう。
サバイバル生活も楽しい要素の一つだが、あくまでメインは会社との
関わり合いだと思うので、退出させられた今、頼りになるのは後輩の
榎本と上司のモアイさんだけだ。

金田一が信頼しているモアイさん。
昇格に目を奪われたとする展開だったけど、最後には金田一が語る様に
正しい選択をするという所に繋がっていくのだろうね。

今回のドラマの主張の中で、金はなくても寄り添い生活する姿が良いのか。
それとも金は有るが、人間関係に於ける距離を持ちつつ生活するのが
良いのか。面白く互いの善し悪しを比べて精査していく内容だった。
金を持つだけで他人の信用を得られるのかどうかの葛藤も
有り、嫌でも金を意識するような演出が行われている。

金の有無が人間関係に於ける距離感を縮めるものではないとは思う
し、基本的に一厘という如何にもチープな"金"を意識させるキャラクター
の奉仕的な活動がなければ成り立たない人間関係ではあると思うけどね。

今回のドラマでは、活躍の多くを彩矢に持たせたことで、金田一色が
かなり薄まった感じもするし、逆に居るだけで存在感を放っている
木村拓哉さんのキャラクターとしては、このくらいの役割が、視聴者にも
最も受けそうな感じだった。