PRICELESS 〜あるわけねぇだろ、んなもん! (2012年10月期・フジ・月曜21時枠) 脚本・古家和尚 演出・鈴木雅之、平野眞 音楽・佐藤直紀 プロデュース・牧野正、村瀬健 主題歌：The Rolling Stones「Jumpin' Jack Flash」 http://www.fujitv.co.jp/PRICELESS/index.html

第8話 １５分拡大スペシャル「さよなら…そして、ありがとう」
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彩矢が荷物をまとめてアパートを出て行ってしまうが、金田一
は新居が見つかり出て行っただけだと思い、いずれ戻ってくる
ハズだと感じて、事務所にも席を用意しておく。
そんな中でミラクル製作所の製造ラインの一つの魔法瓶の真空部
の作る製造装置が壊れてしまい、新たに導入するには3000万円
が必要だという。広瀬ファンドの社長に出資のお願いにいくと、
ベトナムの大企業・SEインダストリーが日本の家電業界との
業務提携を模索しており、レセプションパーティーが有るので
参加してみないか?と言われる。SEインダストリーは世界的に
展開している大企業でもあり、もしも提携できれば世界中に
自分たちの製品が流通に乗る形になるが・・・。

金田一の突飛だが飾らない方法によって、出資者、協力者の
ハートを掴んでいくという展開。
自分の好きなことをして、それでいて意識せずとも出世街道を
ひたすら登り続けられるという理想の人生を送っているかに思え
るけれど、経営者として金田一の信念・方法論は果たして通用す
るのか田舎。
そして現代社会に於いて、利益を後手にした旧態形式の人間関係
に終始する経営方法が果たして会社を存続させられるのか。

政治とは無関係の所で金田一が奔走していて、政治的なことばかり
に終始している大屋敷との対比が面白い。
人脈を活かすという意味では、金田一だけでなく大屋敷もそれを
フル活用しているけれど、その意味合いが違うという所もまた
興味深く写るところだし、会社経営が危機的状況を迎えてこそ
初めてそんな人間関係の本質が見えて来る所だと思う。

他社を全く意識していない金田一の不干渉的感覚は、女性関係に
於いても同様で、金田一らしいところでは有る。
自然と人が集まってくる金田一というキャラクターの中には、
良さと悪さが混在していて、ダレもが金田一と同等の関係を
築いてしまう為に、特別な存在になりたいと考える彼女にとって
は、彼の感情が見えづらいという所が、なんとももどかしく写る
所なのだろう。

神経質な位に現代社会に於ける、人間関係には複雑なものが存在
しているが、他人に好かれ様として神経質になりすぎない所が
このキャラクターの良さでも有る。
金田一の自分の好きな事は他人も必ず好きなハズだとする自信感
が凄いと思う。これこそ社長の器か。