トッカン 特別国税徴収官
(2012年7月期・日テレ・水曜22時枠)

原作 - 高殿円『トッカン 特別国税徴収官』(早川書房刊)
脚本 - いずみ吉紘
音楽 - 佐藤史朗
演出 - 水田伸生、長沼誠
チーフプロデューサー - 大平太
プロデューサー - 福井宏、下山潤
主題歌:Mr.Children (TOY’S FACTORY)

http://www.ntv.co.jp/tokkan/





第1話 わたしの仕事は嫌われている…気弱な徴収官ぐ〜子が毒舌上
司ハスキーに振り回され税金滞納者たちと対決

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消費税、源泉所得税を支払いを拒んでいる者たちから徴収する
税務署の新人徴収官の鈴宮は、S(差し押さえ)をやれと言われ
るも、なかなか相手の事情を考えてしまい、言い出せずにいた。
そんな中、宝町税務署には、国税局から鏡が異動してくる。
彼の仕事に同行し、彼からは鈴宮に対して大島プラスチックの
件を一人で徴収・処理するよう告げられる。

ネタ的には過去のこの枠のドラマで黄金の豚-会計検査庁
特別調査課-
とか、テレ朝のドラマでナサケの女 国税局
査察官
なんかが思い出される様な内容だけど、このドラマ
の様に突出した設定の主人公ではなく、過去に自らの実家が
差し押さえをうけた経験が有り、その時の辛さを知っている
主人公が、今回取り立て屋としての側面を持っているという
事で、何処まで取り立てする事が出来るのかが興味の示す点
である。

色々と親切設計とばかりに、言葉の説明とか国税局との違い
なんかも描かれ、見やすく工夫して有る。
企業に対する脱税とは違い、規模自体は縮小されたものが
有るけど、企業対人間ではなく、人間対人間の構図として
描かれている分、色んな意味で感情移入していくことになりそ
うだ。

早くも鈴宮家の実家の事情が語られたというのが意外にも
思えたけど、脱税者に対して、同情していくべき事なのか、
そして一つ一つの案件に対して、何処まで家庭の事情にまで
関わっていくのかが今後のポイントとなっていく事だろう。

このドラマ、トッカンの鏡雅愛が語っている様に滞納者には
三つのタイプが有る。
主義主張で払わないもの、欲で払わないもの、そして貧しくて
払えないものというものが有って、前者二つのタイプを扱うと
きには、恐らく爽快感をもって見られるものが有るが、今回の
メインでも有った貧しくて払えないケースのドラマを見せられ
る時には、相当視聴者としても心痛める所に繋がっていくのかも
知れない。

何よりも自己破産しても意味が無いという状況の中で、行政
からの助けもなく、寧ろ追い立てる側に回っているという状況
がなんとも辛い。

命あっての物種とはいうけれど、このドラマの主人公が語る
所詮は金だと吐き捨て、命よりも大切なものは無いとする主張
を打破出来るような解決策は有るのかどうかが、ドラマとしては
興味が有る所なだけにドラマ自体は消化不良さが残った。

しかしまぁトッカンの着眼点と鈴宮の着眼点の違いはドラマ
を構成する上で面白い物になりそうだし、金よりも大切なもの
が誰にでも有るという事を示す様に、「犬」とか「子供用の
着物」などそれぞれの事情の中からそれらを提示していく所
は面白く出来ているのかなと。

鈴宮深樹 …… 井上真央 (宝町税務署の新米徴収官"ギョウニン")
鏡雅愛 …… 北村有起哉 (宝町税務署の特別徴収官)
鍋島木綿子 …… 鈴木砂羽 (宝町税務署の特別徴収官)
南部千紗 …… 木南晴夏 (国税局査察部"ナサケ")
相沢芽夢 …… 美波 (派遣社員)
金子長十郎 …… 池田鉄洋 (宝町税務署の特別徴収官)
池戸則夫 …… おかやまはじめ (宝町税務署の特別徴収官)
釜地亨 …… 笠原秀幸 (宝町税務署の特別徴収官)
鈴宮益二郎 …… 塩見三省 (宝町税務署の特別徴収官)
清里肇 …… 岩松了 (宝町税務署の特別徴収官)
白川耀子 …… 若村麻由美 (銀座のママ)

皆川真利子 …… 佐藤仁美 (妻、ハスキー犬"リリコ")
大島照夫 …… 泉谷しげる (大島プラスチック)
大島史子 …… りりィ (大島プラスチック)
皆川功 …… 池田政典 (夫)

犬山イヌコ、大沼百合子、内藤典彦、藤森賢治
五十嵐真朝、久松信美、太田有美、水谷妃里、岡田梨那
瀧内公美、金尾哲夫、野口聖子、上村依子、澤口夏奈子
辻義人、一岡裕人、青木友成、田村義晃、中野剛
井上浩、佐藤一平、古川伴睦、森本のぶ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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