TOKYOエアポート 〜東京空港管制保安部〜 (2012年10月期・フジ・日曜21時枠) 脚本：宇田学 音楽：ティム・ウィン プロデュース：長部聡介、関口大輔 演出：西坂瑞城 http://www.fujitv.co.jp/tokyo-airport/index.html

第3話 管制官ＶＳパイロット空を守る責任とは…
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羽田空港もプライベートジェット機の乗り入れが多くなる
中で、プライベートジェット機のパイロットは通常のパイロッ
トと違って着陸が下手で、管制官からの指示通りになかなか
動いてくれないとする問題も発生していた。そんな中で、
機体の移行訓練中の西川は、最終テストの段階で、プライベー
トジェット機の後方を飛び、何度も管制官から情報を引き出そ
うとするも、前方を飛ぶプライベート機にかまけるあまり
指示のタイミングが遅くなり、着陸も不安定になる。
西川は管制官に対してクレームを言う中で、担当していた
管制官の山下もまた、正式にパイロットにクレームを入れる様
提言する。

空港に海外の芸能人が来るという冒頭の流れを見て、また
韓流スター・ヨン様もどきの人物が登場して、空港内が混乱する
状況でも描かれていくのかなと思って見ていたけど、流石に
そんな安っぽいドラマではなかったか。

ドラマは空港スタッフたちの飛行機を飛ばすまでの役割を
分かりやすく描いたもの。グランドスタッフやパイロットなど
の説明は一気に省いて、管制官だけに集中して説明した辺りが
功を奏したのではないかと思う。

今までこのドラマの中では、初回の管制塔の管制官業務と、
2話の中でターミナルレーダー室内の管制官の仕事が描かれて
いたけど、説明の中では、その後の役割を果たす「東京コン
トロール」の管制官の役割についても言及され、CS版を見ていた
人には特に分かりやすいものが有ったのかもしれない。

CS版でも、パイロットと管制官の交流プログラムを通して、
互いの仕事の事を理解し合うエピソードが有り、一度経験する
事で相手が求めているものが分かっていく所に繋がっていった
けど、今回も上手くそれを踏襲する流れで上手く描かれていた
し、仲介役を担っていた篠田香織の役割も出しゃばりすぎず、
それでいてきっちりと主張している辺りが、とてもバランス
よく描かれたのではないかな。

何よりも上手く盛り込まれていたのは実際に乗客の命を扱う
パイロットとしての立場とレーダーと目視だけで飛行機を操る
管制官が、他人の命を扱う気持ちに温度差があるという事では
ないかな。実際に操縦している分、パイロットの方が分かりや
すい形でプレッシャーに出やすく、管制官は慣れるとそういう
プレッシャーが軽視されがちな感じがする。
ただそれぞれの主張を盛り込み、パイロットにもオートランデ
ィングが有るが、管制官には判断力が求められるとする辺り、
それぞれにプライドを持って仕事に挑んでいるであろう事が
分かるものだった。

管制官は、機体だけでなくパイロットの心さえも自分が操って
いる感覚に陥り、典型的な上から目線が存在していた所が
面白く描かれていた。

ただ今回、山下と西川の対立の構図だけに集中すれば良かった
のに、香織の過去、そして彼女が管制官になるべき理由、そし
て本上圭介との関係性についての言及が含まれたことで、少し
散漫になった印象も有る。
この辺のエピソードはもう少し後半まで取って置いても良かっ
たのかもしれない。