運命の人 (2012年1月期・TBS・日曜21時枠) 原作 - 山崎豊子「運命の人」（文藝春秋刊） 脚本 - 橋本裕志 音楽 - 佐藤直紀 演出 - 土井裕泰、吉田健ほか プロデュース - 瀬戸口克陽 http://www.tbs.co.jp/unmeinohito/

第10話 栄光と挫折〜再生の物語が沖縄で遂に完結！！４０年前の真
相と奇跡が招く衝撃の結末−運命に翻弄された３人の未来とは
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弓成は有罪判決を受け最高裁控訴も棄却されたことから刑は
確定してしまう。失意のまま沖縄の地を訪れた弓成は、美しく
広がる沖縄の海を前にして陰から投身自殺を図る。
しかしそれを見た地元のミチは、弓成を助けたことから、彼女の
叔父の家の離れで生活するようになっていく。

これまで沖縄の件で弓成が口先ばかりの事を繰り返してきたばか
りに、彼の主張に説得力がなかったけれど、順序は違えど、沖縄
で暮らして、そこに住む人たちの苦悩の歴史を知ることで、これ
で、一応沖縄を背負う彼の使命感というものが合致して伝わって
くる所に繋がった感じ。

順序的にどちらを出すのか難しい所が有ったのだろうけど、
やはり弓成のジャーナリスト精神だけでなく、それを下敷きに
して沖縄の問題を取り上げるのであれば、その辺の事情は外せ
ないものがあり、この辺の流れをどうにかして欲しかった。

現在の普天間基地の問題や、原発問題に於ける政府の隠蔽体質
に対して、タイムリーなネタではあるのだけど、逆にその辺の
流れに乗じたあざとさなんかも感じてしまう。

ただ弓成がジャーナリスト精神を再燃させ、名実共に沖縄のため
に動き始めたこと。そしてそれが由里子だけでなく、昭子や
沖縄の人、そして何よりも自分自身の再生へと繋がっていく所は
面白く出来た所だった。

サチという少女が心の傷を背負いつつ再生を果たす物語は、
NHKで放送されたドラマ「ガラス色の恋人」を思い出す。
http://www.nhk.or.jp/drama/dramalist/grass090221.html

アメリカ軍の駐留によって成り立つ経済の是非と、再生をテーマ
とした流れの中に、弓成側のアプローチだけでなく、サチの
流れも含ませる辺りは、希望に満ちた感じもして、良い感じ
だったのかな。

ドラマとして残念なのは、時間の経過が分かりづらかったことと、
弓成に対する嫌疑が晴れた事への爽快感がイマイチ感じなかった
ところかな。祝大森南朋さんご結婚だけど、彼のキャラクターが
最後まで良い人だった辺りは良かったな。