Wの悲劇
(2012年4月期・テレ朝・木曜21時枠)

原作 - 夏樹静子「Wの悲劇」(光文社文庫)
脚本 - 寺田敏雄
演出 - 片山修、植田尚
ゼネラルプロデューサー - 内山聖子
プロデューサー - 飯田爽、清水真由美

http://www.tv-asahi.co.jp/w-higeki/





第8話 双子死す真犯人の正体と暴走!!謎は解けた!!
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突然淑枝は摩子が淑枝が相続するべき遺産が欲しい事を口に
したために、ここに居るのが摩子ではなく、さつきではないか
と考え、真相を聞くために一条の元を尋ねると、そこに摩子
の姿が有る。淑枝が近づくが、摩子は自分はさつきであると
言って聞かず、更にはさつきが捨てられ、摩子が和辻家として
育てられた理由が、与兵衛がたまたま先に取り上げただけだと
知って摩子は、さつきに和辻家への復讐を遂げさせてあげよう
と考える。しかしそんな状況の中、一条は母親の心情として
一つ納得出来ない疑問が浮かび上がってくる。

和辻家の伝統だ・習わしだと言っているけど、双子が生まれた
ケースは、多分過去和辻家の中では初めてだろうし、なんか
変な設定ではある。

子供を犠牲にしてまで守りたいものとは一体何なのか。
突発的な事件の中で財産相続の事まで考えて、咄嗟に行動を
取れるものなのかという最後の疑問の整合性を図る物語だった。

殆ど不可抗力な形で母親から娘を取り上げられてしまったとい
う事で、母親自身には双子の妹に対する愛情は存在しており、
全ては和辻という魔物の存在に責任を押しつけた格好だったの
で、さつきの中の親・姉妹に対する怒りを沈めるだけの材料と
としてはそれなりの説得力として存在したように思う。

行き違った双子の運命だけど、どちらが幸せな人生だったのか
という点で、摩子の態度などからも、決して見た目ほどに幸せ
ではなかったとする辺りは、さつきの中で怒りを静めることに
繋がったのだろうね。

最終的には血のつながりのない外部から来た人間の犯行という
ことで、このドラマに於ける和辻の血との対比は面白く機能
していたけれども、双子が居たとする誤算が、この流れに於いて
あまり意味をなしていない所がイマイチ上手いと思わせる所に
繋がっていない感じがする。無理矢理右京が唯一の誤算だった
と説明っぽくしたけど、基本的に道彦の流れの意図を阻害する
のが双子の存在で有って欲しかった。

元々は二時間もので完成されているドラマなので、なんとか広げた
格好だけど、連ドラとして描くのならば、二人が出会うまでを引き
延ばすべき内容だと思う。そういえ意味では、ドラマとしてのピークを
誤って描いた感じがする。

和辻摩子 …… 武井咲 (20歳、孫)
倉沢さつき …… 武井咲(二役、売春)
弓坂圭一郎 …… 桐谷健太 (34歳、刑事)
一条春生 …… 松下由樹 (41歳、ショーパブ経営者)
立花綺羅々 …… 福田沙紀 (20歳、ショーパブ)
御堂沙耶香 …… 剛力彩芽 (20歳、ショーパブ)
レイラ …… 森田彩華 (21歳、ショーパブ)
クララ …… 昆夏美 (19歳、ショーパブ)
ソアラ …… 山口恵 (ショーパブ)
和辻与兵衛 …… 寺田農 (65歳、和辻製薬社長)
和辻みね …… 野際陽子 (62歳、与兵衛の妻)
和辻淑枝 …… 若村麻由美 (44歳、与兵衛の娘)
和辻道彦 …… 中村俊介 (42歳、叔枝の三番目の夫、准教授)
和辻卓夫 …… 武田航平 (28歳、繁の息子、会社の秘書室)
和辻繁 …… 金田明夫 (60歳、与兵衛の弟)
間崎鐘平 …… 高橋一生 (35歳、与兵衛の主治医)
木村志乃 …… 広岡由里子 (32歳、和辻家のお手伝い)
西田喜直 …… 岸博之 (刑事)

日高賢一 …… 阪田マサノブ (被害者)
中里右京 …… 津川雅彦 (静岡県警)
鳴海祐二 …… 福本伸一 (中里の部下。刑事)

林裕子、宮崎あすは

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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