35歳の高校生 (2013年4月期・日テレ・土曜21時枠) 脚本：山浦雅大、高橋悠也 音楽：横山克 演出：佐久間紀佳、南雲聖一、西野真貴 総括：神蔵克 チーフプロデューサー：大平太 プロデューサー：池田健司、秋元孝之、高明希 主題歌 - EXILE「Flower Song」 http://www.ntv.co.jp/35jk/

第6話 部活内で暴力！？嘘が嘘を呼ぶ悲劇の連鎖
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------

公立・国木田高校では駅伝の全国大会出場が有力視されていた。
三年生は大会の最後という事も有り気合いが入る中、エースの
美月と萌はその中でもズバ抜けた存在。特に美月はこの大会で
全国大会に出場出来れば大学へのスポーツ推薦もあり得るという
ことで、試合に賭けていたが、萌がケガをしたことで、二軍
で駅伝部ではマネージャーを担当して居た衛藤瞳が参加すること
になるが・・・。

萌は精神的な理由でケガを装い自ら出場を辞退したのかと思って
いたのだが、予想以上に駅伝部にかける思いというものを知らさ
れていくというのがサプライズ的に後半上手く響いてくる話だった。

集団として行動してしまうとどうしても上限関係・序列が出来てしまうもの。
その序列を最も色濃く描き出してしまうのが教室という
密閉された空間だということで、その特殊性を描いた格好で
社会の縮図というものが凝縮されて詰まっているところなの
だろう。ただ面白いのが部活動に於ける序列と教室でのそれの
差などを描いた部分が興味深かったのかな。

一軍に対する偏見に満ちた部分だったり、想像していた通りの
人間関係の希薄さだったりが面白く描かれており、学生時代の
友達がある意味永遠の友になり得るものなのに、それを実感
していないところが短絡的で若さがにじみ出ている。
一度は卒業してそれを眺めてみないとなかなか分からないの
だろうし、そういう意味では人生経験をした馬場ちゃんを潜り込ませた
のか良いアイディアだと思う。

最も興味深く描かれたのは、助け合いなど無縁だと思っていた
希薄な人間関係の中にも、実際には助け合いの連鎖が存在して
いたころ。
そしてリーダー格の美月もまた頼んでいないにもかかわらず、
リーダー的雰囲気が自然に浮き上がり、リーダーという役を演じる
ことに、ある意味では辟易としている部分が有るというところ
だろうか。周りがそれを求めるがあまりに偏屈さを身につけて
しまった部分も多いのだろうなという事を勘案すれば、
彼女のことも犠牲者的視点で眺める事が出来る。

救世主など決していないかと思えばそうでもなく、逆にそう簡単に
救世主などが誕生する訳もないという辺りの皮肉さは上手く
出来ている。

ちょっぴりミステリアスで刑事ドラマ風の味付けで斬新な感じ
で見る事が出来たかな。