相棒 Season12 (2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠) 脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)、櫻井武晴(3) 監督・和泉聖治(1)(2)(3) プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通 音楽・池頼広 http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第4話 別れのダンス
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平成25年11月4日、芝公園近くに有るヨツバ電機ホールで
ボールルームダンス競技会が行われ、カイトの彼女の悦子が
出場するということで、カイトは右京と月本幸子を連れて
見に行く。残念ながら悦子は予選で敗退する中で、是非この
後行われるプロによるデモンステレーションを見ていって欲しい
と言われ、悦子の一押しだとする芳川圭一の演技を見ていこうと
する。するとデモンストレーションは二組有り、最初に出てきた
のはベテランペアでかつて欧州でのコンテストで準優勝にまで
上り詰めた須永肇と礼夏今宮が現れる。須永は突然ダンス中に
足をひねって倒れてしまい控え室に運ばれる。
悦子はケータイを控え室に忘れたとして取りに行くまでの間、
右京たちは待っていると、会場の所有者で大会スポンサー企業
の社員・茂手木が殺害されて発見されるのを見つける。右京たち
は悲鳴を聞きつけて現場を調べるが・・・

相変わらず右京さんの行くところに殺人有りということで、
今回はダンスホールで大会中に殺害された事件を追うというもの。

脚本家の戸田山雅司さんらしく、関係者聴取した際の言葉尻を
引用して、足で稼いで調べた事実・物証を精査し、その発言の矛盾点
を指摘していくことで事件の真相を掴んでいくというもの。

どの段階で右京さんが犯人に気がついたのかが興味の一つだし、
これまでのシリーズの中でもより頭脳明晰さを兼ね備えている
相棒・カイトとの捜査に於けるあうんの呼吸は最早長年のバディ
関係を彷彿とさせるほどに息がピッタリ。そんなカイトと右京の
関係と比較するようにして存在する、事件関係者たちのパートナー
同士だけが感じている機微な一面、特別な情愛というものを
対比して面白く描き出したエピソードだった。

流れ自体はかなりシンプルで刑事ドラマとしての基本を押さえた
ものなので見方によって退屈にもなるのだろうし、逆に互いに
相手を思いやるばかりに勘違いして、二人ともに隠蔽罪で
捕まってしまうという皮肉さが面白く浮かび上がる物語だった。

ここ数話、ずっと奇抜な題材、専門性の強いネタが続いていた
ので、この手のシンプルな構成な程に安心して見られるのも
確かだった。

アリバイ工作などに携帯電話を利用するというありがちなネタも
有ったし、遺体を運んだ際に誰にも見られずに運ぶのは流石に
無理が有るだろうという突っ込みもあったり、床から血を拭き取っ
たり運ぶ間に血が流れなかったのかとか、殺害した際に飛沫血痕
がドレスに付着しなかったのかとか、当時役員室の鍵を所持していた
のが誰なのかということに誰も言及しないところでちょっと
違和感も有ったけど、「起こるべきでない事が起きた時、そこには
必ず理由が有る」という右京さんの着眼点も台詞と共に上手く
描かれた感じだった。

最近カイトくんが優秀すぎるので、右京さんと差別化を計るのが
大変だと思う。右京は現場百篇とばかりに、当時の踊りを再現
するという形状記憶状態だったけど、色んなスキルが兼ね備わって
いるのねという感じだった。

プロのダンサーとして演じている廣瀬大介さんの髪型が、イギリス
BBCの人気ドラマ「SHERLOCK」の主人公・ホームズ役を演じた
ベネディクト・カンバーバッチに見えて仕方が無かった。
http://mystery.co.jp/program/sherlock/cast_detail_02_001.html