相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4)(8)
徳永富彦(6)、飯田武(7)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)、東伸児(4)(7)、近藤俊明(5)(6)、橋本一(8)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/




 

第8話 最後の淑女
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右京はカイトの父・甲斐峯秋に呼び出されて、矢嶋小百合と
逢う。彼女は千歳出版社に勤めている女性で、20年前に自殺
して死亡したとする小説家・夏河郷士の家で彼女の父親・房夫
は管理人をしていたのだという。その父も20年前に彼女が5歳の
時に失踪しているとの事だが、母親が亡くなり遺品を調べていた
所、一冊のノートが見つかったというものだった。そのノートを
見ると、夏河郷士が書いていた創作ノートではないかとし、
その中には彼女の父親が夏河を殺害したことを仄めかすような
記述が有るのだという。例え殺人を犯していたとしても父と
逢いたい事を告げ、20年前の真相を知りたい事を語る。
右京は峯秋と小百合の関係がどういう関係なのか不自然に感じて
いるが・・・

海外ドラマでいうところのコールドケース的展開って感じで、
20年前の事件の真相を解き明かしていくというもの。
証拠が限りなく少なくなっている状況の中での捜査ということで
どのように当時の事件の真相を解き明かしていくのか。
そして当時の真相なり、矢嶋房夫自身の安否なり、甲斐峯秋像
というものに迫るものが有って、色々と興味を向ける段取りには
なっている。

ゲストがゲストなだけに冒頭から"きみ犯人じゃないよね?"
オーラがムンムンだったし、特別オーラだけでなく女優さんに当たる
ライト・照明自体もまた凄いことになっている感じだった。

ドラマとしての時代設定はちょっと中途半端な感じだった気もする。
この手の洋館で起きた社交クラブの事件とか、最後の淑女とか
文学的表現を使った物語の流れを考慮すると、もっと前の時代設定に
感じるのだけど、20年前というとあんまり時代的にはピンと来る
ものがない。
ネタ的にはノスタルジックな映像を期待してしまうものが有るの
だけど、言葉の端々ではそれを感じるのに、僅か20年前の出来ごと
という設定の壁がそれを邪魔している感じがする。
どうしても親子関係なりカイトの父と謎の女性の関係を抽出しよう
とするがあまりに、肝心の物語自体が少々歪なものとなったのだろう。
テレビ朝日55周年にちなんで55年前にでもすれば映像表現にも味わい
深さが出て来たのではないかと。

ドラマは文豪が事件の当事者だったという事も有って、事件の捜査・
解決には言葉遊びのような要素が含まれていた。
言わなくて良いものを須磨子自身がその言葉の意味を話していくが
為に、謎説きが進行していく中には、事実はいずれ白日の下に
サラされるということを示唆しているのだろうし、本人の中には
事件を公にしたいとする心理的状況が有ったのかもしれないね。

当時の日記だけで色々と推理していくという展開は面白いと思う
し、この手のコールドケースを扱うものこそ、特命が存在している
意義にも感じるな。今後は現在進行している捜査事件よりもこの手
のコールドケースに特命をぶつけていく状況を用意していくべき
かも。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
田丸寿三郎 …… 品川徹 (警視総監)
井出実篤 …… 井上高志 (警視庁・警務部長)
田中靖 …… 五王四郎 (警視庁・総務官)
原子嘉和 …… 大出俊 (警察庁警備局・s10 10話に出演)

江花須磨子 …… 岩下志麻 (「慈朝庵」)
夏河郷士 …… 野崎海太郎 (文豪)
矢嶋房夫 …… 高木稟 (元「慈朝庵」の管理人)
矢嶋小百合 …… 大谷英子 (千歳出版社)
矢嶋広江 …… 及川莉乃 (房夫の妻)
幼少期の小百合 …… 高嶋琴羽

日下部仙太郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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