相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)(12)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4)(8)
徳永富彦(6)、飯田武(7)、太田愛(10)、高橋悠也(11)、真野勝成(13)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)(10)、東伸児(4)(7)、近藤俊明(5)(6)、橋本一
(8)(13)(14)、安養寺工 (11)、近藤一彦(12)、真部千晶(14)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第14話 顔
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上野寛子は一人暮らしをしている息子・上野択馬(30歳)のアパ
ートを尋ねると中では首を吊っているのを見かける。
寛子と同行していたのは、トオルと女性・浅香実由紀だった。
寛子は息子の会社の上司から、息子が二週間前から出勤して
いないという事を受けて様子を見に来た格好だった。
鑑識の米沢はロープに首を吊っているが、外そうとして抵抗
した跡があるので殺人事件だろうとのこと。

芹沢トオルに対して何故この現場に居るのかを尋ねると、
知り合いから頼まれた案件で、ホステスの浅香実由紀が客である
上野択馬からストーカー被害を受けているということで調査に
来たのだという。
右京はその会話を聞いて、今日は木曜日であり普通ならば会社
に行っている時間のハズで、常識的に考えれば択馬が自宅に
居ないことは分かっているのにトオルを連れてきたのは不自然
である事を指摘する。それを聞いて遺体を発見させる為に
わざわざトオルを出向させた事を知る。

右京は下駄箱でイーニアスの2010年秋限定モデルがある事を
知る。

実由紀から話を聞くと、彼とは半年前に一度デートしただけで、
よみうりランドの年間パスポートをもらえるということで
一緒に行ったが、それ以来ストーカーになったのだという。
元彼・ケンちゃん(三木賢三)に相談したら、三木は択馬から
ATM(金をゆすり取っていた)にしていた様だと語る。
何故カイトを連れて行ったのかと問うと、今彼からケンちゃん
と連絡が取れないという事を聞いたので、強請っていた択馬
が彼を殺したのかと思ったのだという。

択馬が働いていた情報セキュリティマネジメント会社・クラウン
倉庫にいく。受付嬢の井口知世から、この会社の業務内容を
尋ねると、主にオフィスの書類や病院の古いカルテなど、
会社に置いておけないものを預かっている会社だという。
上司の炭谷善也がやってくると、択馬のことを聞く。
14日の朝、インフルエンザにかかったので休みたいという電話
がかかってきたのだとし、その後2週間も出勤してこなかった
ので実家の方に電話を入れたとの事だった。択馬は人付き合い
が苦手で、仕事は一人で働くタイプであり時間があればスマホ
でゲームばかりしていたのだという。
カイトは択馬のデスクを見ると、スマホが会社にも自宅にも
無い事を知る。自殺を装うのに、足が付きやすいスマホを犯人
は持ち去るものかと疑問に持つ。
またデスクには受付にも有った白鳥美容外科のカレンダーが置い
てあることに気が付く。

司法解剖の結果、4日前(日曜日)・26日の夜から未明に
亡くなっており、人工軟骨が顔に埋め込んである事が分かる。
つまり美容整形しているのだろうと聞かされるのだった。
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内向的で人付き合い苦手な男性・上野択馬が首を吊って亡くな
っていることが分かる。男性は整形手術を施しているが、右京
は元の顔というものが気になり実家から写真を見せてもらう
が成長の過程でどの時点で整形したのか分からないものが
有り違和感がある。彼が勤めていた会社の関係上、繋がりの
ある白鳥美容整形医の医院長から話を聞くと就職期に整形
している事を告げ、面接の際に好印象を持たれる為に手術を
する人がいる事を聞かされるが・・・

右京さんが容疑者に対して恫喝する姿が二度もあるという珍しい
エピソード。
ヌイグルミを手にする右京さんが滑稽に見えたり、ちょっぴり
お茶目な一面が顔を覗かせたり、途中で視聴者サービス的絵が
挿入されるなど相棒としては珍しい感じだったかも。

「顔」というテーマを考えれば、人々の持つ表と裏の心理的
描写なり、その人となりの人格なりアイデンティティを表す
重要なものなので、それぞれどんな裏の顔が浮かび上がってくる
のか興味深く眺めていたけど、どちらかと言うとまさに「顔」
そのものが重要性を帯びる内容だった。

セキュリティ会社の人間がセキュリティによってハマってしまう
皮肉だったり、マッドサイエンティストばりの医療従事者と
しての知的好奇心をくすぐるところから派生する事件だったけど、
内容的にはちょっぴり突飛過ぎるところも有って、イマイチ
妙味には欠けるものが有った。

偶然と言う名の必然によって事件が構成されており、犯人は同じ
顔をした人物を二度も殺すという皮肉さ加減が伝わってくるもの
が有ったけど、殺す程のものなのかという感じもするし、
チンピラやホステスの流れはイマイチ物語に合致していない感じ
にも思える。

また事件の流れは複数の事件が混在していて、それらが一つの
事件に利用される。その流れを調律する指揮者としての存在が
一人共通した人物として浮かび上がると少しは説得力が有るの
だけど、みんなバラバラの流れが有るので、こんな偶然に一つの
犯罪に対して人材が揃うというのもなんだか滑稽だったかも。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課・経理課)

上野拓馬 …… 笠原秀幸 (クラウン倉庫)
炭谷善也 …… 遠山俊也 (クラウン倉庫・上野の上司)
児玉加津子 …… 芦川よしみ (則彦の母)
児玉則彦 …… 山口翔悟 (バリスタを目指す)
藤田真奈 …… 建みさと (クリーニング店ふじた)
浅香実由紀 …… 護あさな (キャバ嬢、美人局的な)
白鳥聡美 …… 有沢比呂子白鳥美容外科クリニック院長
三木賢三 …… 萩野崇 (実由紀の元彼、カツアゲ、チンピラ)
井口知世 …… 平間美貴 (クラウン倉庫の受付)
上野寛子 …… 兎本有紀 (択馬の母)
高橋 …… 大久保千晴 (よみうりランド、インフォメーション)

永井慎一、平野アキム、大山達斗


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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