相棒 Season12
(2013年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、金井寛(2)(5)(12)(17)、櫻井武晴(3)、戸田山雅司(4)(8)(16)
徳永富彦(6)、飯田武(7)、太田愛(10)、高橋悠也(11)、真野勝成(13)
山本むつみ(15)
監督・和泉聖治(1)(2)(3)(10)(15)(16)、東伸児(4)(7)
近藤俊明(5)(6)、橋本一(8)(13)(14)、安養寺工 (11)、近藤一彦(12)
真部千晶(14)、田村孝蔵(17)
プロデュース・伊東仁、西平敦郎、土田真通
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/





第17話 ヒーロー
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カイトと右京は悦子お勧めのウナギ料理店でランチを頼む。
右京の奢りにカイトはまさか奢ってもらえるとは思わず、最高級
のウナギを頼んだことに済まなく感じる。
店を出る二人は何か臭いがするとして辺りを見渡すと、
目と鼻の先にある中央区西明石町第三ビルで煙りが上がってい
る事を知る。
すぐにカイトたちは現場で避難する人たちの誘導をする中、
弁護士をしている里見先生がまた室内に居るのだとして助け
を求める。すると杉本竜也が里見麗子を抱えて非常口から出て
くるのだった。しかし麗子を右京らに渡した途端、いつの間にか
その男性は現場から居なくなっていた。麗子は彼は富士の湯の
タオルを貸してくれたと語る。彼女を助けたのに逃げるように
して居なくなったのは気になるという。

右京とカイトは富士の湯にいくと、杉本が現れるのを待つ。
暫くすると杉本が現れ、右京たちは助けてくれた里見麗子が
お礼をしたいと言っている事を語ると、助けたのは俺ではない
として立ち去ってしまう。またしても何故逃げたのか。

西新宿中央公園で男性の刺殺体が発見される。
被害者は轟秀和(42才)、メディアステップというIT企業経営
企画部長だった。サイフの中には3万円の現金があるので
物取りの犯行ではないと想像される。米沢によると殺害された
のは一昨日の晩だろうとのことだった。被害者の携帯を見た
芹沢は、最後の通話は名前の登録が行われていない人物だと
語る。

翌日、角田は特命係にコーヒーを飲みに来る。
昨日のビルの小火騒ぎのことが記事として出ていることを
二人に語る。「白昼の救出劇・ヒーローは何処に?」とマスコミ
は取り上げていた。角田は照れくさかっただけではないかと
告げる。カイトたちは麗子から探して欲しいと言われて男性
を見つけたが本人は否定したのだという。騒がれるのを嫌う
人は確かにいるのでそういう人物なのではないかというが。

麗子に逢う右京たちはその事を報告する。
麗子は企業訴訟が専門の弁護士であることを知る。
そんな中麗子の秘書は、先生を助けたという人から電話が鳴って
いる事を告げる。
三人は杉本と会うことになる。
杉本から話を聞くと、たまたま通りかかった際に中に人がいる
と聞こえたので助けたのだという。右京は何故急に名乗り出よう
と思ったのかと尋ねると、目立つのが嫌いだと語る。現在
印刷工場で働きながら大学の法学部で合格するのを目指して
勉強している身だと語り、訳を話せば何か助けてもらえるかと
思った事を語る。
そんな中、突然杉本たちの元に伊丹らもやってくる。
伊丹たちは西新宿中央公園で起きた事件の被害者が最後に
電話を受けたのが杉本からの携帯からだと語る。杉本は単純に
間違い電話だった事を告げる。ナンパした女性からもらった
電話番号に電話したら男性が出たので電話を切ったのだと語る
が・・・
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火災現場から女性弁護士・麗子を救出した男性・杉本が名前も
名乗らず立ち去ったことを受けて調べていくと、彼の不自然な
行動が目にとまる。そんな中で発生した公園での殺傷事件を調
べていた捜査一課は、杉本が被害者と最後に電話したものだと
して捜査にやってくる。偶然にしては出来過ぎていることを
受けてその関連性を調べていく。

タイトルはヒーローだけど、過去に於ける事件・事故の真実、
そしてそれぞれの人物をフィルター無しで見た各々の人格は
果たして印象通りの人物なのかということを考えると、
真実とか真相とかいうテーマ色の強い内容だった。

因果関係という意味では面白いものがあるのだけど、今回の事件
を象徴しての事なのか、やたらと右京の居る所に捜査一課
有りという不自然なシチュエーションとそのタイミング性が刻々と
描かれた感じ。
最後の慰霊祭の現場で真相を語るというシチュエーションを見た時
には、「土曜サスペンス」ばりの崖ロケーションなのかと思わず
「私の嫌いな探偵」の剛力さんバリの突っ込みをせす
には居られないところも有った。

明らかに犯行に関わっているであろう負のオーラを発し続けてい
た杉本という男性が、犯罪者なのかヒーローなのか。そして如何にも
悪徳だと印象づけられる企業訴訟弁護士の麗子の行動が、果たして
印象通りのものなのかどうか。

慰霊祭での轟の会話を発端として、複数の流れが存在していた
という辺りのサプライズ感は上手かったと思う。

弁護士がクライアントの為ばかりに動くという先入観と、
マスコミが過剰に取り上げた人物像の中にその人となりの正義感
というものが伝わらずに、皮肉な形で印象づけてしまっていた
けれど、受け取り方も行動の取り方も人それぞれって感じで、
なかなか他人のしていることは目に見えて分かりづらいものが
有る感じだったね。

復讐した父親・菅井修二の娘・山本美香さんは綺麗な子だったので
殺されたと分かれば復讐したい気持ちもよく伝わってくる。
弁護士の女性も悪徳だと感じている時の冷たい印象と、事実が分か
った後の柔らかさというのは印象的に写った。公表しているかどうかは
分からないが松尾れい子さんは佐賀市出身。佐賀って松尾さんって
名字の人が多い印象があるけどそうでもない?


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課・経理課)

里見麗子 …… 松尾れい子 (法律事務所・企業訴訟専門)
杉本竜也 …… 岸田タツヤ (人助けをした男)
轟秀和 …… 大内厚雄 (IT企業・メディアステップ・経営企画部長)
沼田敬一郎 …… 小須田康人 (メディアステップ社長)
菅井修二 …… 石井洋祐 (フューチャーコンサルティング社)
上田房江 …… 森下まひろ (船長・上田貴行の妻)
栗原義男 …… 小杉勇二 (65才、恵子の夫、被害者)
山下淳平 (30才)
灰原大輝 (21才)
栗原恵子 (63才)
杉本信也

永野典勝、白石珠江、金沢涼恵
春延朋也、加藤裕月、秦慈一、杉山廉、小泉みゆき


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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