ダンダリン 労働基準監督官
(2013年10月期・日テレ・水曜22時枠)

脚本 - 秦建日子
原作 - ダンダリン一〇一
演出 - 佐藤東弥、中島悟
チーフプロデューサー - 伊藤響
プロデューサー - 三上絵里子、柳内久仁子
主題歌:松任谷由実『今だけを きみだけを』

http://www.ntv.co.jp/dandarin/




 

 

第7話 働くことの壁とは…ダンダ化できない指導係
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南三条は普段は余計なことに口を挟まず静かに毎日の生活リズム
を重ねる典型的公務員タイプだったが、段田と行動を共にする
ようになり、違反していることを目にすると徐々に見逃せない
とする思考が働くようになる。南三条に好意を寄せる小宮は
彼の中で段田化が始まっていることを指摘。そんな中、西東京労働
基準監督署にやってくる茅ケ崎のことを対応していく。
仕事の帰り道に亡くなったとする父の労災が下りるのかどうかと
いう件での相談だったが、南三条はこのケースならば必ず労災は
下りると二つ返事で応えてしまう。しかし実際に話を聞くと
亡くなった英夫は帰り道に妻から頼まれたDVDを借りに家とは逆方向
に行っていることが分かり、労災は下りないことが分かる。

ちょっとエゲツない話になり、全体的に殺伐としていて、南三条
の頑張りが空回りに終わるというものだった。
自分の信念の下でそれが空回りするのであればまだしも、南三条
自身は失敗の責任を段田に転化するということで興味深く描かれた
エピソードだった。
結果としてハッピーエンドとしか描かれなくなった今日のドラマ
事情を考えると、良い感じで挫折感を味わせているし、ここが
南三条にとっての一つの人生の岐路にさしかかっている。

正直、名前やイケメンほどに松坂桃李さんのこれまでの薄っぺらい
役柄と比べると、今回の演技は彼のキャリアとしてもプラスになる
演技を上手く引き出したのではないかと思うところもある。

感情移入と仕事の間で揺れる職員の内情なり、今回は南三条が感情
移入するだけの父親との過去のエピソードを持ち出したことで妙に
シナリオとしても厚いドラマとなった。

労災に関するHow Toものとしても面白いものが有るし、ここまで
非道な社長に対する制裁的意味合いを持って、ビシっと水戸黄門的
展開を期待するも、世の中そう簡単には纏まらないものだなという
感じ。一度傷つけた遺族に対して、二度も傷つけてしまうという
ことの無慈悲なまでの展開が、公務員に対して気持ちを引き締める
意味でも良い感じの流れだったと思う。これで挫折するかどうか
は南三条の資質とか性格にかかっているのだろうな。

西東京労働基準監督署
段田凛 …… 竹内結子 (32歳、「働く人を守る」為に止められない)
土手山郁夫 …… 北村一輝 (44歳、課長、役所体制に身を委ねるが・・)
真鍋重夫 …… 佐野史郎 (55歳、署長、トラブルは困るよ!)
南三条和也 …… 松坂桃李 (27歳、東大卒、5年目、凜の指導係)
温田祐二 …… 水橋研二 (38歳、監督官、優勢な人にのっかる)
小宮瑠璃子 …… トリンドル玲奈 (23歳、芝居心、頭がキレる)
太田昌子 …… 大島蓉子 (53歳、非常勤、署長の話を聞く)
田中正一 …… 大倉孝二 (38歳、監督官、空気を読みすぎる)

相葉博美 …… 賀来千香子 (50歳、相葉社労士事務所・代表)
胡桃沢海 …… 風間俊介 (27歳、相葉社労士事務所、南三条の元同期)
紺野みどり …… 西田尚美 (41歳、元郁夫の妻、雄一という息子)
南三条恭子 …… 石野真子 (50歳、和也の母、金の執着)

茅ケ崎修司 …… 中村倫也 (英夫の息子)
茅ケ崎恵子 …… 朝加真由美 (英夫の妻)
茅ケ崎英夫 …… 大高洋夫 (茅ケ崎の父)
竹光 …… 長谷川初範 (竹光製作所)

伊藤正之、岩田丸、渡辺哲史


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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