dinner (2013年1月期・フジ・日曜21時枠) 脚本 - 黒岩勉 音楽 - 佐橋俊彦 演出 - 星護 プロデュース - 小椋久雄、山崎淳子 編成企画 - 鹿内植、土方政人、城宝秀則 http://www.fujitv.co.jp/dinner/index.html

第11話 これが最後の味
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江崎はイタリア料理の名店テレーザがシンガポールに支店を
出す為に来日するフェリーニからその店の支店長を求められる。
明後日に再び来るので返事が欲しいと言われる中、ロッカビア
ンカでは今井が完全に江崎イズムに冒されて、料理の味に対する
拘りを見せる中、沙織から客のオーダーでかぼちゃのトリテッリ
を要求される。モスタルダが無いと料理は出来ない中、厨房には
それがなく、難しいと思われる中、今井は代替品でそれと似た
ような味を再現。江崎は自分が店に到着するまで待つよう告げる
が今井はそれを客に振る舞うと好評を得る。江崎は今井が作った
トリテッリの味を試食してみると、美味い事を認める。
そんな中、イタリアの格付け会社のカーザ・トリーノから
電話がなり、審査をしたい事を言われる。元々この店では辰巳
時代に星を一つ得ており、国内に星を得ている店は3つ。
アジアの中には星2つ以上の店は皆無な状況だった。
格付け会社に星を得られれば集客もより改善すると考える中で
料理長の江崎は果たして、格付け会社に料理を出す事を快しと
考えるか心配になり、スタッフたちも言いづらそうに江崎にそれ
を伝えると、予想外の反応が返ってくる。

最終話としては序盤に権威やプライドを失った今井の名誉を
回復する物語で、結果的辰巳が戻ってくる道筋を立てていく様な
話だった。これまでの三ヶ月の間に店を守って来たのが今井を
先頭としたこれまで辰巳が育てたスタッフたちという計らいを
見せるところは興味深く、まるでこれまで辰巳の存在が幻であり
救世主的存在を見せたところは、面白い味付けだった。

近年コーディネーター業やらコンサルタント業が企業の中でも
多く存在する。料理人や店のスタッフたちは料理の味を追求
するものの、客の求める料理の味のトレンドや店の雰囲気が
掴めずに、料理の腕前とは店を畳んでしまうところも多い。
前回の投資査定を行う銀行家の経営的手腕と同時に、江崎は
厨房での意識を変えた人物である。

その意識を最も変えさせられたのが今井で有ったという点は
興味深いものが有ったし、他人のことなど気にせずに、気持ち
が良いくらい料理の味だけを追求している彼が、今井にハナを
持たせるという辺り、江崎自身も成長したのではないかと思わ
せる所にも繋がっている。

江崎が名誉であるシンプポール・テレーザにいかない所も
江崎らしさが描かれていたし、近年海外に人材が流出する中で
国内に留まる辺りのオチもまた視聴者としては受け入れ易い
所に繋がっているのかも知れない。

みんながみんな江崎の性格を知り尽くして、江崎のモノマネが
店の中で流行ってしまっているところが面白かったな。
モノマネされるキャラクターというのは大抵、他人に取っては
関心が高い人物だと思うので、なんだかんだ言ってもみんな江崎
を好きだったんだなと思わせるものが有った。

ブレの無い料理の味の追求をしてきた江崎のキャラはプロとして
の姿勢というものを示していたし、他人への当たりが強くても
スタッフをまとめていく辺りは、料理人としてのカリスマ性を
見事誇示できていたからなんだよね。

残念ながらこの枠が終了。
フジテレビさんが完全に嫌われてしまい、この枠がネガティブ
に捉えられてしまったところが残念だったね。
この枠(ドラマチックサンデー)は、2010年〜10作品作られたけ
ど「僕とスターの99日」以外はどれも平均以上の出来で、どれも
楽しめる作品だった。

---------------全ドラマチックサンデー作品--------------

2010年
パーフェクト・リポート

2011年
スクール!!
マルモのおきて
花ざかりの君たちへ?イケメン☆パラダイス?2011
僕とスターの99日

2012年

早海さんと呼ばれる日
家族のうた
早海さんと呼ばれる日スペシャル
ビューティフルレイン
TOKYOエアポート?東京空港管制保安部?

2013年
dinner
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