独身貴族 (2013年10月期・フジ・木曜22時枠) 演出：武内英樹、平野眞、宮木正悟 脚本：佐藤嗣麻子 プロデューサー：牧野正、草ヶ谷大輔 主題歌：SMAP「シャレオツ」 http://www.fujitv.co.jp/dokusinkizoku/index.html

第4話 心奪われた夜…ホテルで二人きり
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亜希子は守がなかなか約束を守らず玲子との結婚を切り出さない
ことに対して、星野家に伝わるネックレスをプレゼントして
プロポーズをするよう要求する。
そんな中会社の方では、映画「太陽の食堂」の完成試写会と共に
記念パーティーを開催することになる。会議に於いてパーティー
はドレスコードの有るパーティーだと言われるが、ゆきはドレス
を持っておらず、会社待機を余儀なくされるが・・・

ドラマとしてのコンセプトとして、昔の映画の一場面などに
なぞり、その都度状況設定が行われるというのは悪くはないのだけど、
大抵こういう作品の場合、そのシーンだけが突出してしまう
という欠点も有る。

ゆきが女優を目指しているというのであれば、このドラマのゆき
のシンデレラストーリーにも合点がいくのだけど、脚本家を
目指す完全裏方の人が、容姿で目立っていくというのがなんとなく
違和感を覚えてしまう。
そして独身と恋愛との間に揺れ動くという設定自体が既に冒頭の
食事シーンを除いてほぼ皆無であるというところがちょっぴり
痛々しくもある。

ゆきによって翻弄させられる二人の兄弟のエピソードとしては
面白いので完全に恋愛ドラマとして見るのが楽しい見方ではある
と思うのだけど、このドラマに於けるメインテーマの「独身」
と「貴族」と「映画」と「脚本」がほぼ目立たぬ存在と化して
いるので、視聴者も混乱するというところだろう。

日本のドラマは説明っぽいところが多く、守が信条としている
独身としての拘りもさりげなさを持って演出してくれれば良いの
だけど、「俺は独身貴族だ」と主張しすぎているところが
思わず鼻につく。亜希子伯母さんが部屋に入ってきて荒らしていく
シーン一つをとっても、無理矢理この主張に当てはめるが為ばかり
にキャラクターを出そうとしているところがかなり演出として
は正直あまりうまさを感じない。

またゆきがドレスコードに対して対応出来ない流れに関して、
「プリティウーマン」するのも悪くは無いのだけど、寧ろゆきが
言い出せずにいるところを、進の方からその辺の流れに気がついて
欲しいところだった。

監禁して強姦しようとしている脚本家とかあり得ないと思いつつも、
(せめてこのベッドシーンで脚本家としての成功が約束されている
とか、絶対に寝なければならない設定が有れば別だが・・)
守が強引に助けに入り、ムーンリバーをBGMとして手を引いて
裸足で逃げるというのも映画の一遍の様でとても絵にはなるのだ
けど、それ以外のメインストーリーが少々お粗末な感じが残念
だった。

ゆきちゃんも良い事をしているのに勝手に予定されている座席を
削除するとか、結果オーライだけどちょっとあり得ないみたいな
流れになっていたな。

11月1日付けの中央日報のコラムで、「独身貴族」に関する現代人の
傾向が面白く取り上げられている。内容言及というよりも主人公像
に対する分析・考察記事のようだ。

【コラム】日本ドラマ『独身貴族』にみる人間観…「干渉は嫌いで、友人
は必要で」

http://japanese.joins.com/article/808/177808.html