半沢直樹 (2013年7月期・TBS・日曜21時枠) 原作：池井戸潤『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組 』 脚本：八津弘幸 脚本協力：坪田文 音楽：服部隆之 演出：福澤克雄、棚澤孝義 プロデューサー：伊與田英徳、飯田和孝 http://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/

 第4話 １０倍返しなるか！上司と部下の裏切り
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自ら不利な情報をマスコミに売った見返りに得た東田の潜伏先
を監視していた竹下は、そこで東田と支店長の浅野が一緒に
居るのを目にする。二人の経歴を調べると、同じ梅田第一中学の
同級生である事を知る。恐らく浅野の入れ知恵でバンカーと
してはやってはいけない計画倒産、資産隠しを行っていたで
あろう事を推測する。しかしそのスキームを破るためには、
二人の間に同級生であったという以上の繋がりを見つける必要
が有った。

どうしても展開は国税と脱税の関係に迫ったドラマ「チェイス
〜国税査察官〜」を思い出してしまうし、ナレーションから
して相変わらず山崎豊子の感じ色がつきまとうこのドラマ。

テーマとしては、銀行に蔓延る派閥争いが核になっていて、
東田や浅野の不正を暴くものだけど、その中で描かれている
人間関係が上手く描かれているだけに、ドラマとしては成功
を納めているのだと思う。

前回中西がキャリアと半沢との関係に揺れるエピソードとして
取り上げられたが、今回は浅野は垣内に踏み絵を施して、
どちらに付くのか選択させるところが有った。
今の時代、バブル時代の頃と違って、職業選択の自由あははん
などと呑気に構えていられる時代でも無いので、今の地位に
執着すべきことを考えれば、垣内の一時の苦悩というのも
分かる感じはするし理解出来るところがある。
弁護士ドラマなどでも常に思う所だけど、ここまで人間不信に
陥る職場環境であるならば、常にICレコーダーくらいは手に
して、潔白を晴らすための努力なり、証拠なりを残して置けば
良いのになと思う。

バンカーが如何に世間から嫌われているのかが描かれ、
イメージアップの為に半沢が、今までのバンカーとは違い、
被害者側の立場としての一面も上手く信条の中に描き、
深もを持たせているのは確かだ。
ただ国税だってバカではないので、我先にと証拠を問い詰める
東田の解明の流れが何の利益にもならない竹下頼みの捜査に
なっているところが気になる。

口座の流れを解明していく過程は、ちょっとしたCIAの諜報活動
みたいで楽しかったし、写真を使った流れも、面白かったのだ
けど、花の署名入りというのがまたなんとも微妙だったかも。

そんな上戸彩さん演じる花の夫を支える献身的姿にこそ視聴率
が取れる原因ではないかと囁かれる中、彼女の行動を元に
して、半沢がヒントを得ていくという流れは、夫婦の共同
作業みたいで良い感じだし、職場のゴタゴタとは
別に家庭にこそ良い感じの安らぎの場所があるなと感じさせる
ところは、まさにこのドラマの良さだと思う。