幽かな彼女 (2013年4月期・フジ・火曜22時枠) 脚本 - 古家和尚 音楽 - 井筒昭雄 プロデューサー - 木村淳 演出 - 白木啓一郎、田中耕司、星野和成 主題歌 - SMAP「Joy!!」 http://www.ktv.jp/kasuka/index.html

第3話 芸能界の罠！１４歳の覚悟
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神山の自宅にやってきた小夜は、斉願寺の住職の娘故に霊が
見えるとし、神山の家の地縛霊のアカネの姿も見える事が分かる。
そんな彼女からは地縛霊が浮遊するためのコツを聞かされ、
縛り付けられているものを取り外すとアカネは外に出られる
事を知る。20年ぶりに外の世界に出たアカネは感激する中、
小原南中学校では、先日の生徒に実施した教師に対するアンケ
ート調査の結果を受けて副校長と教師の個人面談を行う事になる。
元弁護士の和泉は生徒からの評価が良かった順に面談を行って
いくとするが・・・

ありがちな学園ドラマを上手い事、幽霊というスパイスを使って
面白く調味しているドラマ。
食傷気味の学園ドラマに対して、美味いこと興味深く作られて
おり、飽きない工夫がしてあるところは見事。

土曜日のドラマ「35歳の高校生」とどうしても比較して見たく
なってしまうのが僕の悪い癖(by右京さん)って感じだけど、
どちらも面白い反面、本作の方がコミカルさも加味されて
殺伐とし過ぎて居ない感じは好感の持てる作りであり、面白さの
感じ方も数段上に思える。まぁ中学生と高校生を扱う違いの差
はあるのだろうけど。

生徒の意識改革だけでなく教師も同時に意識の改革が必要とする
ところは今の教育界に於ける問題点の一つなのだろう。
「35歳の高校生」では保護者たちの視線まで取り込もうとして
欲張りすぎているのに対して、このドラマでは上手い事、大人が
見えないところで犠牲となってでも子供の事を見守る姿が有り、
それを主張し過ぎていないところが良い感じだ。

誰もがこんな大人にはなりたくないとしている夢や希望が有った
り、誰もが少年・少女期には例外なく、大人に対する視線という
ものを持ち合わせていた過去があるからこそ、大きな視点で見守
ることが出来るのだろうね。

今回のエピソードもアイドルになりたいとする子供の夢と現実
が描かれ、いつでも戻ってこられるような居場所を作ること
こそ大人の役目的主張が描かれた。生徒に対して深くは言及しな
くとも、包容力こそ大人の見せ処で、ある程度は子供のさせたい
ようにさせながらも、失敗に対する行き届いたフォローが上手く
描かれていたのではなかろうかと。

大人を支える大人の存在・和泉の存在感も大きいな。
日本人にはリーダーシップを採る人材が足りないと言われる
も、まさにこういう鋭い視点を持ち合わせている人こそ
必要なのだろうね。

アカネの行動一つとってもコミカルで愛嬌が有って楽しいドラマ
だ。吉岡さんの使い方、そして霊の力の使い方も面白いな。
霊にだけ見える人間の邪念だったり、悪い事をしようとしている
人間を霊が懲らしめていくという面では新たな方向性も見えるもの
が有ったのかも。

しかし小夜という名前はどうしても神聖的、巫女的名前に見えるのは
何故なんだろうか。
KONAMIの奇々怪界の主人公は小夜ちゃんだったよなぁ。