幽かな彼女 (2013年4月期・フジ・火曜22時枠) 脚本 - 古家和尚 音楽 - 井筒昭雄 プロデューサー - 木村淳 演出 - 白木啓一郎、田中耕司、星野和成 主題歌 - SMAP「Joy!!」 http://www.ktv.jp/kasuka/index.html

第5話 体罰、という言葉の魔力
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岩名と藤江俊介がパソコンの教室で何らかのいざこざが有り、
音楽教師の小山りえが二人の様子を目撃する。現場には俊介の
割れたメガネが有ったことや俊介の証言から、岩名が突然
怒りを露わにして俊介に殴りかかったとの話が駆け巡る。
岩名は暴力を否定し間違った事は何もしていないと語るが、
真相を語ろうとせず、事実関係を確認する前に、俊介の両親が
記者だという事も有って問題は大事になっていく。
PTA会長の麗子もここぞとばかりに学校にクレームをつけて
くる中で、ついには教育長の轟木も学校に派遣され、事態を
解決する為に事実よりも、事態の収拾を図っていく。

派手な演出がなく現状の教育問題に於ける体罰問題の対処法なり
解決法を示した様なものだった。
昔の教育と今の教育の違いを描きつつも、昔からの教育論でも
通じるものが有るとする流れは上手く出来ている。

派手で奇抜な演出が無い分、飽きることなく見続けられるところ
が良い。
子供の利益の為に親がしゃしゃり出てくるところは当然にして
も、体罰問題を頻繁に取り上げている記者がその問題の根源を
知らずに我が子可愛さで他人を責めるだけ責める姿に違和感と
憤りを覚えるものが有る。

子供を追い詰めるだけ追い詰めてしまう大人が悪いという構図
で、子供に責任は無い的ドラマは少々ゲンナリする部分も
有るけど、それだけ大人の役割、教師の役割というものを社会
も保護者も忘れてしまっているのが現状なのだと思う。

社会は言ったもの勝ちだなというところがあって、言葉の
暴力、影響力の大きさというのを、事件が起きてからではないと
なかなか見えづらいというところが問題の全てだった。
コミュニケーションのツールの豊富な世の中で、不足するコミュ
ニケーションとはまさに皮肉なもの。エゴばかりが突出する
中で、見守ってくれる人のいる状態のありがたみを感じる
エピソードだった。

アカネの存在もドラマを邪魔にしない程度に上手く挿入されて
いるところが良いね。