幽かな彼女 (2013年4月期・フジ・火曜22時枠) 脚本 - 古家和尚 音楽 - 井筒昭雄 プロデューサー - 木村淳 演出 - 白木啓一郎、田中耕司、星野和成 主題歌 - SMAP「Joy!!」 http://www.ktv.jp/kasuka/index.html

第7話 負ける事を認められる強さ
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

根津と手嶋が教室でケンカする。
教師の岩名と神山はケンカの理由を尋ねるが気にくわないから
殴っただけだという。手嶋も一切理由を口にしようとせず単なる
ケンカだとしか言わない。根津は三日間の自宅謹慎処分になる
中で、相田からは根津と手嶋は中学1年までは親友だったが、
一緒にサッカークラブでエース時代だった際に、根津の父が
リストラに合いサッカーを出来なくなった事が原因ではないか
という。また別のものは、親子のコミュニケーションを図るため
に大原教師がアイディアを出した性教育についてのプリントが
原因ではないかというものも居た。
そんな折り、河合は出版社・文芸社の採用面接にいくことになり、
神山には過去の生徒の一人・広田かすみから近況を知らせるハガ
キが届いた事を知る。

ジャニーズ3人がメインとして絡んでくるエピソード。
昔から根底では優しいけど、家庭の事情から不良を装っている
生徒役というのは学園物では定番だし、その役割は若手ジャニーズ
戦略の一つとして、ジャニーズ俳優の指定席になっているので、
それらが描かれた感じ。思えば金八先生の初期シリーズの頃から
こういう傾向にあったよね。

ラスボスだと思っていた京塚りさが動き出したこと。
更にはその双璧を成すと思われて居た根津のエピソードを消化し
たことで、ある意味ではその一つが片付いた感じ。今後本題にも
集中して見る為にもその一角が崩れたところは良かったのかも
知れない。
人は失敗から学ぶ物というテーマ性は、フジテレビのこのドラマ
の放送枠の前のドラマ「鴨、京都へ行く。」でも全く同様の
主張が有ったので驚きだけど、無駄な時間を7年過ごしてきた
教師が、他人の問題ではなく自分自身が向き合うべき問題だとして
説得していくというのもなかなか上手く出来ていて、安定的な
シナリオを提供している。

最後にお約束の金八ばりの香取慎吾くんのお説教モードも
説教に見えないような視点で描かれているので、鼻につかない
ところが良いし、最終的には親友同士で解決させたのも良かった。

更に神山の過去、そしてアカネの過去にも言及した話であり、
そして卑屈になっている河合のネタも通して、誰もが前向きに
進む為には何をしたら良いのかをテーマにした一連の流れが有った
のでなかなか濃厚なドラマになったと思う。

それにしても神山とかすみのエピソードはなかなか難しいものが
有るね。簡単に許して貰えるとは思っていなかっただろうけど
近況のハガキを送って来た意図が和解でも当てつけでもなく、
実際には自分の中でのケジメだとされると、何も言えないところ
が有るのかも。まぁ最終的には神山の苦労がかすみにも伝わると
良いんだろうけどね。

幽霊の使い方もバリエーションを出してきて面白いですね。