刑事のまなざし
(2013年10月期・TBS・月曜20時枠)

原作 - 薬丸岳 『刑事のまなざし』
脚本 - 岩下悠子、大石哲也
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 佐野亜裕美、佐藤敦司
演出 - 鈴木浩介 ほか

http://www.tbs.co.jp/keijinomanazashi/




 

第1話 43歳新人刑事。瞳に映る涙のミステリー
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新雅司が谷のアパートで放火事件が発生し、アパートの室内
で寝ていた佐藤英明(34歳)が病院に運ばれる。池袋中央病院
で看護師として勤務していた前田恵子は咽頭浮腫で運ばれて
来た佐藤が自分の内縁の夫である事を告げる。
鑑識によると火元はベランダ。連続不審火事件がこれ以前に
も3件発生していたことも有り、被害者はその中の一件では
ないかとして捜査が行われるが・・・

このドラマ枠の刑事ドラマらしいドラマという感じ。
テレ朝に習って刑事ドラマ・サスペンス枠として定着させたい
意図もあるのであろう事も感じとれる。

他のドラマとの差別化は、元少年鑑別所・法務技官だったという
過去に有り、少年犯罪と関わってきたという過去が、現在の状況
にマッチしているという部分だ。

終盤まで特に何があるでもなく刑事としてごくごく普通に状況証拠
を調べ続けていた感じで、いくつかの行動の真意を紐解いていく
事によって、並の捜査官では見落としがちな部分の真相を上手く
たぐり寄せていくという部分がこのドラマの持つ主人公
の特徴となっていくのであろう。

繊細な少年・少女の犯罪に向き合ってきた分だけ、人の心が分かる
部分と同時に自らの家族もまた10年前に5歳だった娘を通り魔に
よってハンマーで頭部を殴打されて、10年経った今尚回復するのを
期待してまっているという役柄であること。その分だけ犯罪にも
真摯に向き合うことが出来るという感じなのかな。

ただ形は違えど似たように犯人・容疑者・被害者の気持ちに寄り添
って捜査を行う捜査官の物語というのは非常に多いことも有って
それが特別差別化として感じるかと言えばやや厳しいところは有る。

母親が息子を無条件に愛しているという幻想や先入観を利用して
最後に反転していく流れは面白く出来ていたし、人間の持つ弱さ、
個人の持つエゴが親子の絆さえも蝕んでいくということで、
ちょっぴり切ない余韻を残しているところがドラマとして視聴者の
心に常に響き続けるのか。

一番興味深いのは、夏目と長峰、そして田辺辺りが全員43歳という
同世代に設定している部分なのかな。

しかし食べ物が着眼点となる刑事ドラマが近年多いね。

夏目信人 …… 椎名桔平 (43歳、東池袋署刑事課強行犯係・新人)
福森誠一 …… 松重豊 (53歳、東池袋署刑事課強行犯係)
菊池大雅 …… 要潤 (35歳、東池袋署刑事課強行犯係・係長)
長峰亘 …… 北村有起哉 (43歳、警視庁捜査一課、「人を疑う」ことを信条)
安達涼子 …… 小野ゆり子 (27歳、東池袋署刑事課)
夏目美奈代 …… 吉田羊 (40歳・妻)
夏目絵美 …… 山田杏奈 (15歳、娘、10年前の通り魔で意識不明)
瀬戸公平 …… 中林大樹 (28歳、鑑識)
西晴彦 …… 吉家章人 (40歳、鑑識)
草野楓 …… 藤本泉 (20歳、大学生、ちょうちん料理・みみずく店員)
田辺久美子 …… 板谷由夏 (43歳、東政大人間科学部心理学科・カウンセラー)

前田恵子 …… 森口瑶子 (池袋中央病院・看護師、シングルマザー)
前田裕馬 …… 野村周平 (息子)
岡本静香 …… 岩佐真悠子 (キャバ嬢)
佐藤英明 …… 山中聡 (34歳、恵子の内縁の夫、焼死)
安岡義雄 …… 竜雷太 (池袋中央病院・患者)

松本じゅん、猫田直、西慶子、萩原利映、榎本由希、平林智志
八幡朋昭、六原陽、榎本貴也

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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