刑事のまなざし (2013年10月期・TBS・月曜20時枠) 原作 - 薬丸岳 『刑事のまなざし』 脚本 - 岩下悠子、大石哲也 制作 - 那須田淳 チーフプロデューサー - 橋本孝 プロデューサー - 佐野亜裕美、佐藤敦司 演出 - 鈴木浩介 ほか http://www.tbs.co.jp/keijinomanazashi/

第3話 捜査中止命令！？動き出した娘の未解決事件と消えた５０００円札
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里見町の神社境内で女児が何者かに鈍器で殴られる事件が発生
する。現場に駆けつけると、既にそこには長峰が居て、本庁の
総意でこの事件捜査に夏目は関わるべきではないと言われる。
安達はそんな唐突な発言に違和感を唱えるが、捜査本部が
立ち上がり、現状の報告を受けると納得していく。被害者の
女児は北嶋結衣(10歳)。凶器はまだ特定されていないが、
被害者はピアノ教室からの帰り道に襲われ、現場からは女児
が所持していた手提げ袋と月給の入った5000円が入っている
事が分かる。そして長峰は10年前(2003年9月・練馬区内の公園)で
起きた夏目の娘・絵美が襲われた件と類似していることも有るの
で、連続犯であるならば、犯行を繰り返す可能性があるという。
夏目は捜査に加わらせて欲しいとするが、自宅待機を言われ
仕方なく一線からは外れていると、夏目の元に親友の吉沢かせ
息子の隆太(14歳)について相談を受ける。

このドラマのオープニングって「JIN」のチームが制作している
のだろうか?音楽の種類、オプニングの映像の構成が完全に
「JIN」なんだよね。
そして「JIN」の中で、なかなか目覚めなかった女性のことを
時間旅行している間に取り戻していくというところもまた
形は違えど展開的には似ている。

さて事件はまたしても少年犯罪。
今回は夏目が捜査に加われない状況の中での捜査進行が有り、
それでも関わらざるを得ない親友の息子の問題を処理していく
家に今回の事件に関して本題へと上手く合流させていく流れ
だった。

ドラマとしての一番の収穫は長峰の人間性というものに、過去の
事件を通して触れられた点だ。過去の事件が描かれたことに
よって、これまで夏目の事をどこか特別に監視しているような長峰
の姿が有ったけど、その理由付けが今回のドラマを通して描かれた。

刑事として決して被害者の関係者に約束出来ないことはしてはい
けないことが描かれた。。
「容疑者を絶対に捕まえてみせる!」とする夏目の主張によって
瞬間的には希望の存在として象徴的姿に映るのだけど、それが
歳月を通して見ると、失望に変わる時には、逆に喪失感もまた
倍返しとばかりに大きい物に変わっていくのだろう。

親子関係に関してはとても難しいものが有り、子供の助けを
求めるサインを親ならばみてあげなければならないとするもの
だけど、親だって人の子であり、完璧とは行かないので、見落と
したからと言っても無理はない。ただこの父親は自分のことは
棚に上げて、息子にだけは本音で話せとばかりに主張していた
ところに信頼関係が生まれなかったところがあるのだろうね。

吉沢が途中で一度息子に対して疑いの目を向ければ寧ろ修復する
のが難しい関係になるのではないかとする主張と、親子である
ならば向き合うことで信頼を寄せていくべきことの葛藤点が
ドラマとして興味深く描かれた事だと思う。

不思議なことだけど、今回の被害者の少女が夢の中で女の子
と出会った事を口にしていることからも夏目の娘が目覚める
時が近づいているのかもしれない。

刑事を信用していないとする長峰の夏目に対して見解は果たして
当たっているのだろうか。そして夏目が犯人を目の前にした時、
刑事としての気持ちを保ったままでいられるのか。

ニンニクまじないは見事通用しました。