刑事のまなざし
(2013年10月期・TBS・月曜20時枠)

原作 - 薬丸岳 『刑事のまなざし』
脚本 - 岩下悠子、大石哲也
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 佐野亜裕美、佐藤敦司
演出 - 鈴木浩介 ほか

http://www.tbs.co.jp/keijinomanazashi/




 

第6話 白昼の死角と連続報復殺人…届かぬ母の想い!!そして犯人は殺された
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水野弥生は一年前の11月に東池袋公園で刺殺された娘・水野
愛子(22歳)の目撃情報者を探すためにビラを配る中、長峰は
捜査本部が縮小されることを弥生に告げる。沢山の目撃者が
居た筈なのに、何故誰も名乗り出てくれないのかと弥生は
嘆く。
そんな中、浜田隆一(24歳)が通り魔によって殺害される。
高利貸しの取り立て屋をしていた男で気性の荒さでも有名で
今まで警察沙汰にならないのが寧ろ不思議なくらいの男だった
という。鑑識が調べていると、浜田の指紋は一年前の水野愛子
を刺した人物とナイフの指紋が一致したという事だった。
一方病院では絵美の誕生日に際して、美奈代の元に久美子が
やってきてプレゼントを渡す中、三好夏希の姿が有った。
久美子は不登校の彼女のカウンセリングをしていたことを告げる
と、美奈代は彼女は絵美が公園で襲われた際に一緒に遊んでいた
目撃者の一人だと語る。

一年という節目に事件が動くというのも心理的にはあること
だと思う。加害者も被害者、そして傍観者も嫌でも思い出す
という心理的作用も働いているのだろう。
夏目の娘のエピソードも今回起きた事件と平行して描かれ
同じく傍観者に対する姿勢を問う物語だった。
勇気のあるものがバカを見るという世の中は確かにゆがんでいる
社会を象徴していてなんとも言えない物があるね。

一つの言葉が及ぼす他人への影響力という面でも見逃せないもの
が有った。愛子と高木尚人の関係はもちろんのこと、美奈代と
三好夏希の間に生まれている立場の違いから発せられた言葉が
及ぼした人生が10年経過した今でも色んな意味で複雑に
作用しているところが興味深く描かれていると思う。
そういった意味でインターネットの掲示板に見る無責任な発言が
上手く引き合いに出されて、言葉の持つ意味合いを抽出する流れは
面白く出来ていたのだと思うし、それらが投げかける作者の意図
も感じられる。
またちょっとシナリオとしては出来過ぎでは有るけど、虐めの問題
と絡めて傍観者でいることの痛みというものを描いた欲張りな
シナリオだったと思う。

夏目にしか見えないものという言葉が今回具体性を帯びた感じ
だし、ドラマとしては上手く描けば「ハンチョウ」以上の
コンテンツになっていきそうなドラマだ。

夏目信人 …… 椎名桔平 (43歳、東池袋署刑事課強行犯係・新人)
福森誠一 …… 松重豊 (53歳、東池袋署刑事課強行犯係)
菊池大雅 …… 要潤 (35歳、東池袋署刑事課強行犯係・係長)
長峰亘 …… 北村有起哉 (43歳、警視庁捜査一課、「人を疑う」ことを信条)
安達涼子 …… 小野ゆり子 (27歳、東池袋署刑事課)
夏目美奈代 …… 吉田羊 (40歳・妻)
夏目絵美 …… 山田杏奈 (15歳、娘、10年前の通り魔で意識不明)
瀬戸公平 …… 中林大樹 (28歳、鑑識)
西晴彦 …… 吉家章人 (40歳、鑑識)
草野楓 …… 藤本泉 (20歳、大学生、ちょうちん料理・みみずく店員)
田辺久美子 …… 板谷由夏 (43歳、東政大人間科学部心理学科・カウンセラー)

水野弥生 …… 斉藤慶子 (愛子の母)
浜田隆一 …… 奥野瑛太 (刺殺、1年前の事件関係者)
水野愛子 …… 渋谷飛鳥 (女子大生)
高木尚人 …… 柄本時生 (24歳、映画好き)
小田律子 …… 春木みさよ (浩貴の母、夫にDVを受けていた)
佐々木勉 …… 神永圭佑 (23歳、カラオケ店、愛子の元彼氏)
三好夏希 …… 森川葵 (絵美の友人・高校生)
川田理恵 …… 松永渚 (オフ会にて)
小田浩貴 …… 高橋來 (子供、浜田にジュースをかけてしまう)

藤沢瀬里奈、岩田月花、兎本有紀、小泉彩、カートヤング
市川大貴、升田尚宏(アナ)

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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