刑事のまなざし
(2013年10月期・TBS・月曜20時枠)

原作 - 薬丸岳 『刑事のまなざし』
脚本 - 岩下悠子、大石哲也
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 佐野亜裕美、佐藤敦司
演出 - 鈴木浩介 ほか

http://www.tbs.co.jp/keijinomanazashi/




 

第9話 5年ぶりに現れた婚約者!!ベテラン刑事の苦悩と選択
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

振り込め詐欺事件が発生し、その被害者の女性がひき逃げ事故
に逢う。運ばれた豊島第一病院で事情を聞きに行く東池袋署刑事
課の福森は5年前に婚約していた医者の麻理子らしい人物の
姿を病院で目にする。福森が懇親にしている情報屋のゲンから
麻理子であることに間違いないとされ、2ヶ月前からこの病院の
心臓外科医として働いている事を知る。何故今になってこの町
に戻って来たのか福森は困惑する中で、振り込め詐欺事件の
榊龍彦に付けたGPS情報から、大塚泉街にある古い工場跡地が
振り込め詐欺の拠点となっていることを知って強行犯係は、
警視庁と連携してガサ入れを決行する。すると振り込め詐欺の
主犯の男性は麻理子の兄・健介だと判明する。

家庭ではなく人助けという名の仕事を優先した女性・麻理子は
福森のかつての婚約者だったというもの。
仕事を優先して親権も放棄した筈なのに、いざ子供が心臓の病
に冒されていると知ったことによって、色々と人生が二転三転
する。

ネタとしては罪悪感が根底に有り、麻理子自身の複雑な心情と
して存在していると共に、兄妹として決別状態にある関係性という
ものも、その性格性の中に興味深く組み込んだものだった。

アメリカに渡ったとする流れはちょっと強引過ぎるとは思うのだ
けど、娘を治したいとする気持ちの中には、罪悪感があるのだろう
し、汚い言い方をすると、その人とナリの人生優先度というもの
を感じさせる流れだった。

どんなに人生が巡り巡っても最後には行き着く先があり、安心出来る
場所というのが家族であって、人生に振り回されてしまって
いる麻理子の受け皿として福森が根強くこの街に佇むという
ところは、なかなか渋い役所ではある。警察官が殺人犯と
一緒に籍を入れられない事情も分かるし、都市伝説となっている
ことだけど、身内に犯罪者がいると、警察官にはなれないと言われて
いるくらいなので、それだけ重要なポストなのだろう。

人を助けるために人を殺すという皮肉なエピソードだった。
冒頭からあまりに麻理子の兄が犯罪性をアピールしすぎていた
ので、事態が反転するであろう流れは予期できるものが有ったけど
そのロジックをどのように解いて行くのか気になる物があった。
まぁ防犯カメラ映像だけであっさりと犯人が分かってしまう
ということで、刑事捜査以上に、今回のエピソードは福森の人生
を描いたというところなのだろうね。

夏目信人 …… 椎名桔平 (43歳、東池袋署刑事課強行犯係・新人)
福森誠一 …… 松重豊 (53歳、東池袋署刑事課強行犯係)
菊池大雅 …… 要潤 (35歳、東池袋署刑事課強行犯係・係長)
長峰亘 …… 北村有起哉 (43歳、警視庁捜査一課、「人を疑う」ことを信条)
安達涼子 …… 小野ゆり子 (27歳、東池袋署刑事課)
夏目美奈代 …… 吉田羊 (40歳・妻)
夏目絵美 …… 山田杏奈 (15歳、娘、10年前の通り魔で意識不明)
瀬戸公平 …… 中林大樹 (28歳、鑑識)
西晴彦 …… 吉家章人 (40歳、鑑識)
草野楓 …… 藤本泉 (20歳、大学生、ちょうちん料理・みみずく店員)
田辺久美子 …… 板谷由夏 (43歳、東政大人間科学部心理学科・カウンセラー)

大野麻理子 …… 奥貫薫 (豊島第一病院・心臓外科医)
大野健介 …… 山崎銀之丞 (52歳、麻理子の兄、振り込め詐欺主犯)
高島直樹 …… 新井康弘 (55歳、心臓外科センター長)
田中浩一 …… 池田政典 (父親、麻理子の元夫、北海道に住む)
田中結 …… 遠藤璃菜 (7歳、狭心症)
田中真紀 …… 吉沢梨絵 (浩一の再婚相手)
ゲン …… 緋田康人 (情報屋)
石毛 …… 小須田康人 (警視庁)
山本和代 …… 高田敏江 (自転車に引かれる)
新田 …… 猪狩賢二 (医者、不整脈が出ていると)
榊 龍彦 …… 渋江譲二 (26歳、振り込め詐欺)
難波 …… 山崎画大 (振り込め詐欺)

かとうあつき、吉田紗也加、黒田浩史

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system