刑事のまなざし
(2013年10月期・TBS・月曜20時枠)

原作 - 薬丸岳 『刑事のまなざし』
脚本 - 岩下悠子、大石哲也
制作 - 那須田淳
チーフプロデューサー - 橋本孝
プロデューサー - 佐野亜裕美、佐藤敦司
演出 - 鈴木浩介 ほか

http://www.tbs.co.jp/keijinomanazashi/




 

第11話 涙の最終回!! 父の願いが起こした奇跡…明かされる全ての真相
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連続殺人事件の3人目の被害者・横山ちはるは悦子の親友だった
と共に、なんと10年前に起きた夏目の娘・絵美を襲ったときに
容疑者が持ち逃げしたと思われる万華鏡を手に握らせていた事
から、益々犯人は山之内信吾だと確信していく。
それを知った夏目は娘や家族の10年間を奪った相手に憎しみの目
を向けるが、それを悟った長峰からは、今日は休んで翌日また
刑事の目となって戻るよう指示する。
夏目は妻子の待つ病院へと向かうと、たまたま同じ病院に運ばれた
尾崎夫妻と面会し、夏目に対して殺されたちはるは自分の妻の
親友だった事を語り、自分が家族を守るということを言い訳に
して身勝手な事をしていたとして、全面的に捜査に協力する事
を誓う。夏目も家族を守る為には現実から逃げない事をしかない
のだと語る。
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人間の行動心理の発達した現在、殺人犯の中でも拘りを持つ連続
殺人犯は犯行現場にメッセージを残していく傾向にあるというこ
とを言われることが多い。その共通点を探り当てることで、
犯人の傾向、性格、そして殺意に至る原因を突き止めることが
出来るというもの。

まなざしがテーマとして存在している分、それに関連した主張が
行われることが非常に多かった。
夏目が捜査に加わったことによって検挙率が1ポイントアップ
したというのも、今までのチームにはない視線を持つ刑事が
加入したからこそのこと。その視線を知るためには、それぞれの
立場に立つ必要が有り、そして何よりもその人となりを知るには
それなりの経験と情報量が必須であるという事も明らかだった。

夏目は被害者の視線を持つ人物であると共に、少年の心を鑑別
してきたからこその心理的着眼点を持つことが出来た訳だけど、
10年前に接した信吾の言葉の意味というものをずっと探し求めて
続けてきたのかもしれないところは、彼の刑事人生に於ける
一つのテーマにもなって、良い指標となっていたのだろうね。

人間にはどんな人であり、良心という名の、自助力があり自然治
癒力が有るものだと信じたい気持ちを持ちつつも、当然ながら
そればかりではないというのが人間の複雑な心である。

他人の気持ちを分かっていないと指摘する裏では、そんな発言を
主張する本人でさえも、相手のことは何一つ分かっていないとする
皮肉が色んなところで発生しているものだった。

他人の立場に立つことの難しさ。
それが被害者家族という立場を持つ夏目本人に、今まで自分が
主張してきたことの全てを背負わせ、決断を迫るところはなんとも
辛い状況だった。

ただ最終話はちょっと展開が凝りすぎて完全に最後はスピード感
を失速した感じもするし、都合よくドラマが回りすぎている感じ
がしてちょっぴり面倒な展開になったという感じ。
刑務所内から殺人事件の心理的サポートをする人物が居ても
悪くはないとは思うのだけど、人は被害者・加害者の両極端では
ないと思うし、例え似たような人生・境遇を味わっているとしても
その人となりの人生が有るので、なかなか測れないものがあるとは
思うけどね。
刑務所からサポートする人物というのを最初の段階から出して
置くというのも、ドラマ設定としては有りな感じはする。

希望を持たせる展開で終わったので、満足感のある内容だった。

夏目信人 …… 椎名桔平 (43歳、東池袋署刑事課強行犯係・新人)
福森誠一 …… 松重豊 (53歳、東池袋署刑事課強行犯係)
菊池大雅 …… 要潤 (35歳、東池袋署刑事課強行犯係・係長)
長峰亘 …… 北村有起哉 (43歳、警視庁捜査一課、「人を疑う」ことを信条)
安達涼子 …… 小野ゆり子 (27歳、東池袋署刑事課)
夏目美奈代 …… 吉田羊 (40歳・妻)
夏目絵美 …… 山田杏奈 (15歳、娘、10年前の通り魔で意識不明)
瀬戸公平 …… 中林大樹 (28歳、鑑識)
西晴彦 …… 吉家章人 (40歳、鑑識)
草野楓 …… 藤本泉 (20歳、大学生、ちょうちん料理・みみずく店員)
田辺久美子 …… 板谷由夏 (43歳、東政大人間科学部心理学科・カウンセラー)

山之内信吾 …… 窪田正孝 (14歳の時父と母を失う)
尾崎秋彦 …… 柏原収史 (夫、2002年に傷害事件)
尾崎悦子 …… 須藤理彩 (妻、妊婦)
宗方善 …… 平幹二朗 (70歳、昭和43年殺人、執筆活動)
横山ちはる …… 松田沙紀 (3人目の被害者、33歳、スナック勤務)
今村裕也 …… 浅田駿 (1人目の被害者、大学生・ボランティア)
水野知佳 …… 林亜紀子 (2人目の被害者)
横山大樹 …… 石塚獅桜 (息子)
青年期の宗方 …… 松澤傑 (大学闘争)

春海四方、遠山俊也、日向寺雅人、小泉彩

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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