警視庁捜査一課9係(season8)
(2013年7月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・深沢正樹
監督・長谷川康

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/




 

第1話 捏造された殺人
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公園で女性が金属バッドで頭部を殴打されて殺される。
凶器のバットは現場近くの運動場に有ったもの。
被害者はベイカリーショップ"ラタルティーヌ"のオーナーの
津久浦弘子(36歳)で、話を聞くと毎日午後23時頃この公園
近くを犬の散歩している事から、計画的殺人だと疑われる。
そんな中、彼女は旧姓中川で、3年前に夫の雄介を殺害した
妻だと分かる。ただし夫からDV被害を受けていたとして、
裁判では正当防衛が認められて無罪だった事を知る。しかし
当時夫を殺害した方法が金属バットを使用していることから
も無関係だとは言えないものが有った。3年前から雄介の無罪
を訴えている母・美紀子の存在がある事を知る。

時代性を反映して、インターネットでのステルスマーケティン
グ、通称ステマというキーワードを捜査の過程に盛り込んだ
という辺りは面白い作り。
そして事件発覚のきっかけもまた、倫太郎の疑問である食べ物
ネタから発生しており、別段美味しい訳でもない、クロワッサン
がインターネット上で絶賛されている理由は何なのかという
こと事が着眼点として存在している。

とても面白いのだけど、一番の年長者である倫太郎がインター
ネットでのIT捜査を担っている辺りが違和感があると言えば
違和感が有り、言葉使いの間違いの共通性を見出すことで、
犯人の痕跡だと証明するのも面白いのだけど、デジタル的
捜査かと思えば、キーワード検索というアナログチックな
解明の仕方で、IPアドレスを辿って証明すればもっと楽に
解決出来るのだろうねという感じのネタでは有った。

インターネットでは色々と情報が操作出来るということを
示したもの。未だにくすぶり続けているペニーオークション
事件の事を思い起こさせるものが有った。
現実の殺人事件に於いても、人格を隠して成功者としての一面
が顔を覗かせたけど、裏では相当汚いことをしていたという
ことを示したもので、上手く現実世界とインターネット世界の
流れを使って物語を構成していた感じだった。

しかし、冒頭で金属バットを振り下ろすには難しい場所で殴られて
いるとの事だけど、その流れがぞんざいな扱いであったり、
遺体を完全に損壊しているにもかかわらず、美紀子はそのまま
司法妨害の罪も含めて、何の罪にも問われないというところは
違和感が有ったかも。

そして何といってもこのドラマに於ける興味の一つ。
9係の主任争いの流れと、倫太郎の親と娘の関係、そして倫子
と直樹の関係性など、初回に上手く盛り込んでシーズン8の
出発を描いた感じだった。
妙子の犯歴が青柳の出世に響いているところなど、今期の
二人の関係もちょっと危うい物が有って怖いところだね。

そして何よりもオフィスが新しくなりました。
その内、出来れば相棒とのコラボレートなり、クロスオー
バーエピソードにも挑戦して欲しいところ。次の相棒の劇場版
にこういう企画を持ち出しても良いのでは無かろうか。

加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長)
青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補)

早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医)
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
矢沢早苗 …… 畑野ひろ子 (漫画家・長男福太郎)
垣内妙子 …… 遠藤久美子 (クラブ歌手)

中川 美紀子 …… 竹下景子 (雄介の母親、ピューティーサロン"ナカガワ")
津久浦 弘子 …… 松尾れい子 (36歳、ベーカリーショップ"ラタルティーヌ")
若月 裕一 …… 佐戸井けん太 (弁護士)
小田原 康則 …… 若杉宏二 (元刑事)
桜木 昇 …… 棚橋ナッツ (津久浦の共同経営者)
小田原彩華 …… おたにまいこ (康則の妻、傷害の前科)
中川雄介 …… 渡邊修一 (35歳、3年前妻に殺されるがDVの疑い)

中島愛里、笠原千尋、野添義弘、境賢一、新貝文規

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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