警視庁捜査一課9係(season8)
(2013年7月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・深沢正樹
監督・長谷川康

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/




第5話 殺人生原稿
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アパートの一室で佐久間加代が刺殺されて発見される。
アパートはスナック経営者・鈴木奈美のもので、前日から
被害者は泊まりに来ていたという。被害者は電話機を握りしめ
卓上カレンダーの10月を指していたこと。バッグの中には
現金封筒が空になっていて、最近遺稿が発見され話題になって
いる柴田和彦の小説「夏色の女たち」が入って居て、折り目
が付いている事が分かる。調べていく内に、被害者の奈美は
和彦が生前浮浪していた際に、津軽に滞在していたときの
愛人だと分かる。出版社に話を聞くと、社長の貴島からは
元々の原稿は加代の元で発見されたもので、加代は小説は
和彦から自分に贈られたものだとし、出版に際して相応の
金を要求されたというものだった。

遺留品から生前の小説家の真意を探ると共に、その行動の
意味を一つ一つ紐解いていくというもの。

細かいくらいにネタフリがされていて、そのアイテムも
様々なものが提示されていた。
電話機、封筒、カレンダー、イニシャル、1月22日、贋作、
レコード盤、レトロニムなどのキーワードの全てに意味が
含まれているところなど、ちょっと出来過ぎなところも有る
けど、小説家故に、小説家としての癖なり、人の行動の
理由の中に上手い形で、愛情なり真意が含まれていた。

死者の声に耳を傾けるということで、別のドラマのような
感じにも思える部分も有ったけど、生きているものたちが
欲のために嘘を付いていることや、作者に対するそれぞれ
いろんな形の思いが存在していて、それを小説や癖の中から
誤解を解いていくというところは面白く出来ていたと思う。

ただ生前の小説家・和彦が神聖化されているような印象も
あるが愛人に子供までいるとなると、ちょっぴりイメージ的に
もそれを押し通すには無理が有りそうだ。
まぁ死んでからも尚、それを責める必要はないと思うし、
正妻と愛人の子が仲良くしている姿を見れば、結果オーライ。
愛人もまた愛人としての分をわきまえていたという辺りに
昭和の臭いが感じられるところ。

ルームシェアを黙って居る直樹も悪いけど、口が軽い志保さん。
こんな性格では上司として部下に信用されないよな。
倫太郎にさえ知られなければ・・・ってどう見ても村瀬の
影響を受けてるな。

加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長)
青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補)

早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医)
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
矢沢早苗 …… 畑野ひろ子 (漫画家・長男福太郎)
垣内妙子 …… 遠藤久美子 (クラブ歌手)

新貝文規

柴田カンナ …… 平山あや (和彦の娘、芸能人、作家)
貴島聡 …… 菅原大吉 (出版社"銀狼社"社長)
佐久間加代 …… あめくみちこ (52歳、被害者、ホステス)
柴田和彦 …… 藤岡大樹 (ベストセラー作家)
赤木周二 …… 寺十吾 (奈美の彼)
佐久間和代 …… 野口真緒 (加代の娘、高校生、父は分からず)
鈴木奈美 …… 横須賀昌美 (フィオーリハイツ、加代の友人)
マスター …… 野口貴史 (カフェ四季)

加藤裕、村松真知子、耀香莉奈、上杉智世、松田知己

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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