警視庁捜査一課9係(season8)
(2013年7月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・深沢正樹
監督・長谷川康

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari/




 

第7話 死の紋様
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USホールディングス日本支社のマネージングディレクター
を勤めていた桜田雅和(50歳)が刺殺され発見される。
見つかったのは彼が自宅とは別に借りていた仕事場の駐車場
で、室内から指紋は拭き取られているが、愛人の存在を
臭わせるものが有った。殺される日の前日の8月17日に
妻から離婚届を渡されていたことが判明。
遺体の手からはピンクの塗料が検出される中、果たして事件
との関係は有るのか。

夫婦といえどもなかなかその意図が伝わらない苦しさが描かれ
夫婦としてのあうんの呼吸というのも、関係が機能していない
となかなかその関係というものも伝わらないところがあるんだ
なという感じがする。

由里子は桜田雅和との結婚によって人生のすべてを奪われたと
思っている。しかし現実に事件をひもといていけば、むしろ
その逆で、妻の為にすべての人生を犠牲にしようとする夫の
姿があり、それを知った由里子にもっと焦点を当てるべき
内容だったな。

人生がうまくいかないとどうしても他人に責任を押しつけてしまう
ものがあるけど、結局選んだのは自分だし、元々由里子が雅和
との関係においても、親友の彼氏を奪ったとする過去なり
罪悪感があるからこそ、逆に奪われる可能性というものに
おびえて暮らす姿があるのだろうね。

殺害された雅和としては、ホントに出来た人物だけど、優しさが
全方位的なものとして向けられたが故に、感情移入させた後に
あっさりと捨てたような印象も有る。

かつての親友同士の件で、女性同士が火花を散らしているのかと
思わせつつ、実際には社会との接点を持たずに依存していた由里子
が自分の殻の中で不安感を増幅させて、勝手にシナリオを描き
だしてしまったのが問題だった。

証拠としてカリグラフィーが出てきたり、現場検証の結果、
目撃証言がいかにいい加減で、わずかな先入観を持つだけで犯人像
を勝手に描いてしまうところなど、当てにならないところも多かっ
た。

そこまで夫を愛していたのであれば、もう少し真摯に向き合っても
よかった案件だな。

加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長)
青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補)

早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医)
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
矢沢早苗 …… 畑野ひろ子 (漫画家・長男福太郎)
垣内妙子 …… 遠藤久美子 (クラブ歌手)

新貝文規

桜田雅和 …… 井田國彦 (50歳、外資系USホールディングス)
桜田由里子 …… 七瀬なつみ (45歳、雅和の妻、路代と元親友)
園枝路代 …… 渡辺梓 (45歳、カリグラフィの入門書の著者)
日下次郎 …… 松永博史 (桜田の部下)
堀江美奈 …… 黒川芽以 (園枝のアシスタント)
少女期の美奈 …… 池田英

深谷次郎、市橋正光、酒巻誉洋

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