雲の階段 (2013年4月期・日テレ・水曜22時枠) 原作：渡辺淳一 統括：神蔵克 チーフプロデューサー：大平太 プロデューサー：荻野哲弘、太田雅晴 演出：猪股隆一、岩本仁志、吉野洋 http://www.ntv.co.jp/kumonokaidan/

第1話 渡辺淳一究極傑作〜無資格医背徳のメスを愛し抜く２人の女
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人口が500人にも満たない伊豆諸島の離島の美琴島診療所では
医師免許を持つのが村木だけしかいない。看護師や事務員たち
に本来の医師法では認められていない看護師や事務員たちの
麻酔注射やレントゲン撮影を行わせていたが、有る時村木は
手先が器用な事務員の三郎に対して、専門書を読ませて、少し
ずつ治療の現場に立ち会わせて、ついには患者の診察、そして
手術の執刀まで行わせる。それを見ていた事務員達も正直
行きすぎた行為だとして村木に意義を唱えていくが・・・

医療ドラマには度々描かれる、助けられる命が目の前にある
のに助けようとしないのは罪なのか否か。
都会のルールが離島での常識には当てはまらず、医療制度に
対する是非を改めて問う物語となりそうだ。

三郎自身が東京で何かを起こしたであろうことは明らか。
そして今回東京から流れ着いたであろう明子の病院長の娘・亜希子
の存在は、三郎との間に共通する何かが存在し、それがシンパシ
ーとなって二人の関係をより強固なものへと繋げていく。

ドラマとして絶妙だと感じるのは、二人の女性の名前を共に
"アキコ"と命名している事だろう。
名前を呼ぶ時に込められた思いというものが、果たしてどちら
に傾いていることなのか一見すると分からないものが有り、
ドラマとしても間違いなく混乱させていくであろう事が伺える。

一方向に向いている恋愛のベクトルもまた、このドラマを面白く
させていきそうな感じで、人間の嫉妬心と同時に存在する医療
行為の不正の事実が、相手を縛り付けるための道具へと繋がって
行きそうでなんとも怖いものがある。