泣くな、はらちゃん
(2013年1月期・日テレ・土曜21時枠)

脚本 - 岡田惠和
演出 - 菅原伸太郎、狩山俊輔
チーフプロデューサー - 大平太
プロデュース - 河野英裕、小泉守、萩原真紀

http://www.ntv.co.jp/harachan/





第1話 恋するヒーロー!!
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越前さんは城ヶ島ふなまる水産三崎工場で働く従業員の一人。
引っ込み思案で言いたいことも言えず、職場でも幅をきかせる
パート職員たちから煙たがられる。勇気を振り絞って発言する
もあっさりと言い返され、嫌な態度を取られる中、越前さん
のストレスのはけ口は自分の描く漫画にあった。
しかしそんな漫画の世界にいるものたちは、創造主の機嫌
が悪い為にいつも暗い世界だと語り合う。なんとかして神様
を幸せにして明るい世界にしたいと考えるはらちゃんは漫画
の世界から飛び出していくが・・

完全にクドカンワールドだろうとか思っていたら、意外にも
岡田惠和御大の作品。キャスト、歌、奇抜な世界観はどうみても
クドカンだろうみたいな感じがしたけど、意外にも岡田惠和さん
だった。

ここの所、ドラマの主張は自分の世界の中で引きこもりがちな
傾向をつねる展開が多い。最高の離婚の坂元さんのドラマも
そんな主人公の物語だけど、一人の幸せが周りを明るくするという
事を分かりやすい形で描き、、変わるべきとの主張を繰り返して
いくのも若者向けドラマ枠ではよく見られる光景だ。

擬人化とは少し意味が違うのかも知れないけど、漫画の中の
人物が飛び出してくるというアイディアは、流石に日本のドラマ
だなと思わせるものが有る。

どの人物も安定した配役だと思うけど、何と言っても
ボーイズ・オン・ザ・ランで随分と役者としての存在感を
発揮した丸山隆平さんがとても良い感じに写る。

漫画の中から飛び出したり戻ったりする法則が提示されて、
主人公の性格やら今の心境が手に取るようにわかるように、
漫画の中の世界観を変えていくというのも面白い。
自分で描いた漫画によって自らの事にフィードバックされていく
という辺りの妙が面白く出ていた話だった。

デスノートじゃないけど、一冊のノートから物語が派生して
いくというのが凄いね。
前にも何処かで書いたけど漫画の中の人物のやりとり・主張は
「ビーバップハイスクール」の巻末のオマケの漫画のやりとり
を思い出させる。俺なんて名前が付いてないとか、俺なんて
手抜きの絵だぞと漫画の中の登場人物が昔の画風を巡って
争うものだったけど、アイディアとしてはそんな所から生まれて
いる感じがする。

漫画「泣くな、はらちゃん」の世界
はらちゃん …… 長瀬智也
ユキ姉 …… 奥貫薫
マキヒロ …… 賀来賢人
あっくん …… 清水優
笑いおじさん …… 甲本雅裕

現実世界
越前さん …… 麻生久美子 (姉、漫画で現実逃避、"神様")
田中くん …… 丸山隆平 (ふはまる水産)
紺野清美 …… 忽那汐里 (ふはまる水産、"悪魔")
越前ひろし …… 菅田将暉 (弟)
長沼さん …… 稲川実代子 (ふはまる水産・ボス)
警官 …… 小松和重
玉田 …… 光石研 (ふはまる水産・工場長)
越前秀子 …… 白石加代子 (母)
矢口百合子 …… 薬師丸ひろ子 (ふはまる水産。パート長)

しのへけい子、よしのよしこ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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