ぴんとこな
(2013年7月期・TBS・木曜21時枠)

原作:嶋木あこ『ぴんとこな』
脚本:高橋麻紀
プロデュース:高橋正尚、伊藤仁吾
演出:河合勇人、岡本信吾、山室大輔

http://www.tbs.co.jp/pintokona/




 

第10話 最後の舞台に全てを懸ける…それぞれの涙と約束
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あやめは父親と彼が懇親にしている新聞社の男に唆されて、
ヌード写真集の撮影をさせられそうになる中で、恭之助が
助ける。またそこには世左衛門がやってきて助太刀するが、
世左衛門は突然倒れる。かかりつけの病院である関東総合病院
の医師によると、一刻の猶予も許されない程にガンが進行して
いるために手術の必要性を唱えられる。世左衛門は完二郎に
頼んで兄弟子・銀蔵に連絡を取り、恭之助のことを任せることに
なる。

三角関係による恋愛と伝統ある歌舞伎に対する姿勢が秤に
かけられる展開だった。高校にも通っている状況の中、
ほとんど高校生だという設定が、活かされて折らず、
冒頭の頃から歌舞伎に関しては表面的なことしかして関与して
いない感じが有ったので、突然決意を固めていく辺りに違和感が
あるし、ここ数話は常に、恭之助に対して、歌舞伎の姿勢を
問う主張ばかりが続いていたので、同じような展開の繰り返しにも
思えたところが有った。

ただ最後に下手に舞台での公演を見せずに世左衛門にだけ
演技を見せて納得させるところは悪くはなかったのかなと
思う。正直今の状態では、他人に見せる程のものではないと
思うし。

兄弟子がいるのであれば、木嶋屋の看板もこれで終わりと
いう訳ではなさそうな気がするし、咲五郎の轟屋に関しても
一弥にとどまらず他に弟子がいるのではないのか。

歌舞伎界の横のつながりというのが分かりずらいことも有った
ので、伝統だなんだと言っても無理に恭之助や一弥に引き継が
せる必要性も感じなかったかも。

恋愛に於ける譲り合い精神は、今時の草食系の典型で、こういう
時こそエゴになるべきところを身を引くことで、相手の幸せ
を願うとする状況が描かれた。互いにダチョウ倶楽部ばりの
譲り合い精神がそこに存在していたけど、最後は結局恭之助に
対してどうぞどうぞと譲る事になるのだろうけどね。

あやめもまた応援団としては良い感じなのだけど、一弥に対しても
恭之助に対しても、常に似たような主張しかせず、あなたならば
やれるみたいな声のかけ方はちょっと八方美人過ぎるところを
感じた。

ただ一貫して、恭之助が舞台でも生える理由の中に、その辺の
まっすぐさが最後には強いとし、一弥もまた現状の恭之助の
器の大きさから来るカリスマ性を認めつつも、歌舞伎の道から目を
背くのではなく、追いつくことを宣言する辺りは、二人のライバル
を抽出していて良かったのかな。

河村恭之助 …… 玉森裕太 (歌舞伎の名門・木嶋屋の御曹司)
澤山一弥 …… 中山優馬 (轟屋の弟子。本名は本郷弘樹)
千葉あやめ …… 川島海荷 (恭之助と同じ杏星学園高等学校)
澤山梢平 …… 松村北斗 (「養成所」出身の轟屋の弟子)
坂本春彦 …… ジェシー (恭之助の同級生で親友)
澤山優奈 …… 吉倉あおい (轟屋の一人娘、高校2年)
佐賀田完二郎 …… 山本耕史 (恭之助や一弥の良き兄貴分)
大岩松吉 …… 高嶋政宏 (歌舞伎界の重鎮)
澤山 多佳子 …… 前田典子 (咲五郎の妻、優奈の母)
澤山咲五郎 …… 榎木孝明 (一弥が入門した轟屋の総帥)
三田シズ …… 江波杏子 (河村家の家政婦)
河村世左衛門 …… 岸谷五朗 (名門・木嶋屋を背負う歌舞伎界の大御所)
三島 千晶 …… 草苅麻有 (あやめのクラスメイトで大親友)
ヤス …… 清水優 (恭之助の付き人・木嶋屋)

幼少期の恭之助 …… 藤野大輝
幼少期の一弥 …… 田中悠太
幼少期のあやめ …… 平澤宏々路

銀蔵 …… 市川團蔵 (世左衛門の兄弟子)

樋渡真司、高橋祐一郎、山崎岳彦


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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