最高の離婚
(2013年1月期・フジ・木曜22時枠)

脚本:坂元裕二
音楽:瀬川英史
プロデュース:清水一幸、浅野澄美
アソシエイトプロデューサー:若松央樹
演出:宮本理江子、並木道子 他

http://www.fujitv.co.jp/saikouno_rikon/index.html





第3話 もう一つの夫婦の秘密と真実
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結夏と光生は離婚したものの、光生の祖母に言うタイミング
を逸していた。結夏は父親の結石が排出された際に言う事を
告げ、それまで条件付きの家庭内別居を提案し、互いの私生活
には立ち入らない事を指摘し合う。
結夏は美佳の誘いで合コンに参加し、光生は歯科医の菜那と
デートする中で、菜那からSNSの存在を知らされ、光生は
スマホを購入する。そこには結夏が楽しそうに日々の生活を
投稿していた事を知って、光生は自分も相手に嫉妬させようと
して投稿していく。

前回つまらなかったけど、今回再び持ち直してドラマとしても
面白く感じた。

二つの奇妙なパートナー関係を通して、相手の不自然な一面を
眺めて自分たちの姿勢を正していくという所へと上手く
繋げていく。

相手に嫉妬させたい意図があるという事はまだ愛情が残っている
証拠でもあるので、今後の修復への期待感をくすぐるところが有る
が、光生たちの関係以上に歪な形として存在している
灯里たちの関係は、崩壊する事が明らかなので、そうなった際に
灯里を支える役割を光生が担っていくことになるのかどうか。
今後とも一癖も二癖も有りそうなドラマになりそうだ。

自分が感じる感性・感覚が他人とは決して同じではないこと。
インターネットなどを通して文字だけのコミュニケーションの
難しさを感じる所も有るが、顔を合わせている場所でもそう
いった問題が発生している所がなんとも切ない。
何の気に無しに発した言葉が相手を傷つけるというのは何処にでも
ある事だけど、タイミングによっては右から左に流せないという
事態もある。死ねとする言葉の先にあるもの、そしてその意味の
中に有った事実がどちらも凄まじい勢いを持って居るところが、
実に怖いところだ。

興味深いのは、この中の主人公ら誰もが自分自身の事を分かって
おらず、自分が分からないのに他人の事が分かるはずもない所に
繋がっている点と、今回諒の中でも好き勝手している中で、
迷走している姿が有る点だった。諒の中の潜在下にある寝台列車
の映像は、青森出身の灯里と何らリンクする所がありそうだし、
諒と灯里が一緒にいる事の意味合いの中には、互いの中に
郷愁を誘う一面が有るのかなと思わせる所がある。

男のこだわりは最悪だ、女は身勝手だとする辺りの主張はまだ
可愛いモノが有り、寧ろ自分を押し殺してしまっている人物たち
の不満のはけ口や支えが居なくなった時の彼らの行く末が
ちょっぴり恐い物があるかなと。

濱崎光生 …… 瑛太 (30歳自動販売機設置会社の営業マン)
濱崎結夏 …… 尾野真千子 (30歳光生の妻。光生の実家のクリーニン
グ店)
上原灯里 …… 真木よう子 (30歳アロママッサージ店経営)
上原諒 …… 綾野剛 (30歳美大の助手。灯里の夫。博愛主義者)
濱崎亜以子 …… 八千草薫 (80歳光生の祖母。若い時に離婚)
海野菜那 …… 芹那 (光生が通う小牧歯科医院の歯科衛生士)
瀬田智世 …… 市川実和子 (光生の姉。祖母・亜以子、夫・継男)
瀬田継男 …… 松尾諭 (光生の義理の兄)
有村千尋 …… 小野ゆり子 (諒が働く美術大学の学生)
矢萩聡子 …… 宮地雅子 (クリーニング店)
光永詩織 …… 大谷英子 (雑貨屋店員)

田中聡元、瀧村正道、服部清司、ケチンダコチン

大村圭輔 …… KEIJI (結夏が気に入る)
日野明希 …… 遊井亮子 (諒と逢う)
初島淳之介 …… 窪田正孝 (合コンで知り合う)


青木一、小野明日香、吉田怜菜、片岡華奈子、留奥麻依子
新保竜也、安達雅哉、鈴木千秋


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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