空飛ぶ広報室 (2013年4月期・TBS・日曜21時枠) 原作 - 有川浩『空飛ぶ広報室』（幻冬舎刊） 脚本 - 野木亜紀子 プロデューサー - 土井裕泰、磯山晶 演出 - 土井裕泰、山室大輔、福田亮介 音楽 - 河野伸 主題歌 - 安室奈美恵「Contrail」 http://www.tbs.co.jp/soratobu-tbs/

第8話 運命が変わる２秒間
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空幕広報室では空軍のプロモーションビデオを新しく撮影する
事になるが経費は残り9万4831円しかない事が分かる。
小暮は昨年と同じ作品を出展するかと問う。
そんな折り、広報室に行ったリカに対してスタッフたちは、
空井とリカが朝帰りしたのかどうかを問い詰める。
そんな中で、プロモーションの件で討論している姿をハンディ
カメラで撮影していたリカは、動きのある撮影には正式なカメ
ラマンの坂手が担当するが、この手のドキュメンタリーには
金をかけずに長期間の取材になる為に、現場のスタッフが
撮影するという事を語ると、広報室でも自分たちで撮影しよう
と考えていく。

空軍のプロモーションビデオに対して、女性隊員の入隊の
理由を取り上げることになる。候補者を捜していたところ、
広報にはピッタリのアイドル系の隊員・秋恵の存在が有り、
快く撮影に応じてくれる。彼女はカワイイ顔とは別に、
仕事に対する熱い気持ちが有る事が判明する。

ネタ的には仕事に恋愛にバランスよく描かれた話だった。
空井が過去・秋恵と付き合っていた感じの訳あり感を出しつつ
何故別れてしまったのかについてもそれなりに興味深く描かれ
とても空井は一度心を許すと人なつっこい性格をしているので
逆に気持ちがわからないとすることで、今のリカの心情にも
大きく投げかけるものが有った感じ。

以前のエピソードの中で、比嘉哲広が出世せずにこの場に
留まる理由付けとして、後輩を育てる事の必要性を説いていた
けれど、今回はリカの中にもそんな気持ちの一端が生まれ、
上手い事大きな視野を持って仕事に挑んでいるところは、
成長した事を実感させる。

同僚への気配り、そして失敗した事でも人生は続くし、
チャンスは必ず再び訪れるとばかりに、これから就職するもの
たちへの経験者としてのアドバイスなども彼女の成長した姿を
上手く提示していたし、ほぼ文句の付けようのない展開だ
ったと思う。

最高の2秒間を演出すると共に、最悪の2秒間であるラスト
のツナギ方もまた興味深く描かれていた。
そして恐らく猪苗代湖の上空を飛ぶ辺りもそんな一瞬を感じ
させる演出の一部として、意図した時間の使い方が有った様に
も思うと上手い描き方だったなという感じだ。