空飛ぶ広報室 (2013年4月期・TBS・日曜21時枠) 原作 - 有川浩『空飛ぶ広報室』（幻冬舎刊） 脚本 - 野木亜紀子 プロデューサー - 土井裕泰、磯山晶 演出 - 土井裕泰、山室大輔、福田亮介 音楽 - 河野伸 主題歌 - 安室奈美恵「Contrail」 http://www.tbs.co.jp/soratobu-tbs/

第9話 つのる想い・あふれる涙
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空自は低予算でのプロモーションビデオを撮影する為に、実在
する自衛官の入隊物語をベースにPVを製作する。
なかなか上手く撮れた事も有って、動画は好評だっだが、
新聞に掲載された寄稿コラムの中で、PVは戦争の美化したもの
だとして批判される。テレビでも同様の批判を語ったが為に
世論は一気に自衛隊に対する否定的な視線が向けられる中、
広報室としても偏見に満ちた発言であり、公式サイトへの
謝罪文の掲載を求める。しかしテレビ局はそんな自衛隊の抗議
をはね飛ばす。

自衛隊に対するマスコミの扱い方について、実にシビアな視線
で取り上げたものだった。
公平な報道とは一体何なのか。

自衛隊が芸能界や一般の企業の乗りで広報することへの
違和感は当然ながら存在していたし、鷺坂が語る様に、自衛隊
の存在自体は何処までクリーンさをアピールしても、人を
殺す為の組織と捉えられる部分も有り、叩こうと思えばどこ
からでも叩ける部分が有る難儀さが存在する。

マスコミにしても自衛隊にしても、こういう批判する人がいて
初めてバランスよく成立する存在であり、行きすぎた行動を抑止
出来るのもまたこの手の報道である事は言うまでもない。

自衛隊について全員が理解している訳では無いので、リカの
様な立場で語る人も居れば、NPO法人の男性のような視線を
持つ人も居て当たり前。
軍事大国のアメリカでも、兵役に就くのは黒人や貧困層など
のマイノリティの存在が常に批判として存在しているので、
日本でも当然無くなる事は無いのだと思う。

組織同士の思惑の違いがぶつかり会う中で、個人としての存在
を面白く抽出した話で、リカの行きすぎた行動にもまた抑止
する存在が居たりして、皮肉にも人の行動は何処かで見守る
人が居ないと偏ってきてしまうものなんだろうなと思わせた。

少しでも空井や空自の為に良い成果を得てからじゃないと
連絡を取れないと考えるリカの気持ちもよくわかるし、
公平な報道を求める中で、個人的な事情が関わってくると、
感情的対応によって、それを守るのが難しい物があるのだろう
なという感じがする。

それでも働いている人は前向きに自分の役割を果たす姿が
有って、良い感じのドラマが出来ている。