夜行観覧車 (2013年1月期・TBS・金曜22時枠) 原作：湊かなえ 脚本：奥寺佐渡子、清水友佳子 音楽：横山克 演出：塚原あゆ子、山本剛義ほか プロデュース：新井順子 協力プロデュース：橋本孝 主題歌：「VOICE」AI http://www.tbs.co.jp/yakoukanransya/

第9話 最終章〜前編〜事件の夜の家族の悲劇
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事件より7日後の1月29日、次男の慎司は警察に出頭し、母を
返して欲しいという。自分が父を殺したのだと語る。
一方彩花は病気を抱えたまま学校へ行く。この人と二人で
居ると何をされるか分かったものではないとして真弓が自分
の事を殺そうとした事に心傷ついているのだった。

何にも進んでないというのはまだ良いのだけど、微妙に意味が
わからないという所が致命的なドラマ。

兄弟三人で一夜を過ごした際に、腹を割って話合いをした
のかと思ったのに、何にも話していないという肩透かしの展開
だったし、警察に出頭したかと思えば、突然慎司は罪を告白した
のに、何のお咎めもなく釈放され、その後いきなり施設に送られ
るという状況が、一瞬どういう状態なのか混乱させられる。

帰る家が有るのに施設に入れるものなのかという疑問も有るし、
勾留後48時間はとっくに過ぎているのに、依然として母親は起訴
されぬまま勾留され続けている状況だ。

ドラマとして唯一気になるのは高橋家の前妻が誰なのかが
よく分かっていないこと。遺影の写真を見るシーンなどがあるけど
顔をハッキリ写していないところを見ると、何らかの事情が
含まれていそう。
この高橋家の前妻ってなんで亡くなったのだっけ?

まるで芸能人よろしくとばかりに、言いたいことを警察ではなく
マスコミの前で語る意味が何処に有るのか。

親だからこそ子供を守り、子供だからこそ親を守っているのだろう
けど、それ以外の第三者が犯人説とか、家族全員で殺人を画策して
いたとかあり得ない状況の中、そういう安易な結末だけは用意し
ないで欲しいね。

プライバシー以上にのしかかってくる分厚い壁みたいなものは面白
い要素として存在しているし、隣近所の事情に聞き耳を立てつつも
必要以上に介在できない状況というのは皮肉なもので、人間社会
の複雑さを感じる。
また彩花周りのエピソードでも、母親の前では威勢良く居られる
のに同級生の前では何も言えなくなるというのは、狭い世界での
閉塞感がそうさせているのだろう。ただやはりあれだけ威勢良く
居られるのだから、やはりガツンとして欲しい。
どんな事でも暴力はいけないけど、志保を見ているとこの子ならば
ガツンとして欲しいところだ。

劇団EXILEの春川恭亮さんが教師役で出ているけど、このドラマ
の前日に放送されている青柳翔さんも同メンバーの一人。
二人とも日テレ放送の「ろくでなしBLUES」では互いに格好良い役
だったのに、TBSさんは完全に劇団EXILE潰しの役所を用意している
な。