よろず占い処 陰陽屋へようこそ (2013年10月期・フジ・火曜22時枠) 原作 - 天野頌子「よろず占い処 陰陽屋シリーズ」 脚本 - 黒岩勉 音楽 - 井筒昭雄 演出 - 土方政人、植田泰史 プロデュース - 豊福陽子、稲田秀樹、小林宙 http://www.ktv.jp/onmyoya/index.html

第3話 見つけたら１億円！？消えた遺言状のナゾ
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Tシャツ姿でうろついていた男・槙原は祥明の幼なじみだと
分かる。そんな彼がアルバイト先の後輩・夏央が困っている
という事を聞いて、祥明の元に連れてくる。夏央は祖母が
先日亡くなったのだが、弁護士によると遺言状は、祖母の
一番大切なところに有るとされ、見つけた人に遺産のすべて
を引き継ぐ権利があること。そして10月27日の午後5時まで
に遺言状を見つけなければすべての遺産を慈善団体に寄付
すると言われ、夏央は祥明に探して欲しいと告げるが・・・

槙原と阿部の関係は、「ビーチボーイズ」で言うところの反町さん
と反原発派を掲げている山本太郎さん演じるかつてのライバル
的人物かと思いきや、単なる幼なじみだと判明した。
駿河太郎さんの役柄はデビュー以来思わせぶりな感じの役回り
が多かったけど、ここに来てきちんとした台詞の有る主人公
に絡んだ役を用意されたことは良かったと思う。TBSでいつも
警察官役みたいなことが続いていたからね。

さて今回は遺書を探して欲しいとする客からの要望。

女性を相手にしている元ホストの不埒な商売だとしていたけど、
見ていると、毎回金儲けや美人に対しての依頼を受けるという
役回りではないし、この件は探偵の仕事ではないかとして、一度は
遺書探しが自分の仕事ではないとしつつも、失せ物探しも
かつては陰陽師がしていたことだとして、引き受けていく辺り
はソツのないところだ。

人にとって一番大事なものとは一体何かということを改めて
考える機会を与えて、金を目当てに探している人物たちの
醜さというものを示しつつも、最終的には母親が望んでいた
ことを浮かび上がらせて家族としての絆を取り戻すという流れ
でとても良い感じのドラマではある。
ただ人はそう変わらないだろうし、結局それぞれ家庭を持つ
身であるならば、遺産を分配した後には疎遠の関係になるの
もまた見えていそうだった。

まるで見当違いのところで動いている感じのする阿部だった
けど、実際には生前の祖母が何を好んでいたのか。それを知る
手段としては、生きている人の中でも普段から顔を合わせている
人に聞くべきだとして、そういう着眼点を冷静に持っている
というところは上手く出来ている。

死んだ人の気持ちばかりを大切にしてどうするのかとし、
残された人たちが遺言状一つで関係が戻るのならば良いとして
いたけど、その直前に大人はどん欲で浅ましくて平気でウソを
つくと称していたように、まさにそんな感じになるのかな。

しかしドラマとしてはホント奇抜な内容だけと面白く出来て
いる。阿部と路子の関係に注視している珠希の存在も面白い
し、安倍祥明の力が対人的な経験の元で育まれたものだとすると、
瞬太の中には生まれながらして存在している天性の何かがある
ようで期待するものが有るね。