よろず占い処 陰陽屋へようこそ (2013年10月期・フジ・火曜22時枠) 原作 - 天野頌子「よろず占い処 陰陽屋シリーズ」 脚本 - 黒岩勉 音楽 - 井筒昭雄 演出 - 土方政人、植田泰史 プロデュース - 豊福陽子、稲田秀樹、小林宙 http://www.ktv.jp/onmyoya/index.html

第4話 ３日間で結婚する方法！？恋占いにご用心
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キツネ君がアルバイトする中、古本屋で購入したとする
初版本の龍前式日本呪術目録・全20巻を持って帰宅する祥明
の姿。謎の美女が売っていったのをたまたま見た事を告げ、
8万円でお買い得だったという。
一方槙原は祥明の元に駆けつけると、祥明の実家の父・ショウ
イチロウの容体が悪いので一刻も早く実家を継ぐべきでは
ないかとアドバイスする。
そんな中、店には細川季実子がやってくる。祥明のことを
源氏名で呼ぶことからホスト時代の知り合いだと分かる。
彼女によると祥明がホスト時代にも手相を占ってもらったこと
を告げ、一年前には30歳までに結婚出来ると言ったことを
引き合いに出し、あと3日で30歳である事を告げ、もしも30歳
までに相手が見つからないのであれば、貴方に責任を取って
もらうというめちゃくちゃな主張をする季実子に手を焼いて
いく。それを聞いたキツネ君は商店街の人たちに声を掛け、
季実子に合う男性を見つける様協力していくが・・・

初回から祥明自身の易学者としての能力の是非が問われるもの
が有ったけど、本当にその能力が備わっているのか、それとも
単純にホスト時代に培ったとするコールドリーディングや観察力
によるやりとりの中から解決法を見出しているのか、その辺
の駆け引きが絶妙な具合で絡み合っていて、祥明自身を謎めいた
存在としているところはとても上手く描かれていると思う。

占いが当たらないことによって当然今回の季実子のような
客が祥明に対して無茶なクレームを付けるということは想定
され得る案件だし、それをどう交わしていくのか見応えが
有った。

祥明が社会人としての経験を積んでいるとは思わないけど、
人間の行動習性として、先に自分の名前を言われてしまうと
社会人としては相手に見覚えがなくても知っている素振りを
見せるとして、上手いこと取り入っていくところは面白く出来て
いたし、ドラマ「相棒」の右京さんじゃゃないけど、初動捜査の段階で
祥明が彼女の手相を見た際に薬指の指輪の形跡を見たとする際
には、その洞察力に感心するものが有るしね。

遊び心も満載で、科学とは対象的にいる研究員だった路子と
祥明の組み合わせというのは面白く、毎回のようにして「ガリレオ」
ネタを持ち出すところも面白いし、今回は心理学の分野である
吊り橋理論(恐怖や緊張感を共有した男女が好感を持つ)から、
映画「スピード」のサンド・ブロックの主張(危機的状況で結ばれた
カップルは長続きしない)を引き合いに出したりして、祥明の知識
の豊富さを裏付けるところに繋がっていた。

占いに来る人の心理も熟知している感じで、結婚することに
対して迷っている人に対して、背中を軽く押すだけで、その人が
決断することも分かっている感じだし、最終的に決断したのは季実子
自身であり、嘘を利用して、上手いことその人の気持ちを引き出した
り、幸せになる嘘ならば良いのではないかとするところに繋がる
オチは心地の良さにも繋がっている。

そして何よりも上手く出来ていたのは、わら人形の存在だった。
誰がわら人形を公園に刺したのか。
珠希さんがさりげなく居酒屋「狐火」で路子と祥明の会話を
聞いているところもまた、季実子以上に結婚に対する執念みたい
なものを感じるところも有って、愛と猟奇は紙一重だなと
思わせるところも有った。