よろず占い処 陰陽屋へようこそ (2013年10月期・フジ・火曜22時枠) 原作 - 天野頌子「よろず占い処 陰陽屋シリーズ」 脚本 - 黒岩勉 音楽 - 井筒昭雄 演出 - 土方政人、植田泰史 プロデュース - 豊福陽子、稲田秀樹、小林宙 http://www.ktv.jp/onmyoya/index.html

第6話 騒音バアさんと化け猫屋敷！？隣人の呪い
--------------------------------------------------------

--------------------------------------------------------

突然祥明の店の近くをうろついている女性・百合江がいる事を
知り、入りづらそうにしている事を悟った瞬太は店の中に招き
入れる。事情を聞くと、百合江は突然ウチに呪いを掛けて欲しい
と頼んでくる。詳しく話を聞くと、猫カフェを経営している
神林葵という人物から再三にわたって自分の家を売って欲しい
のだと言われていて、息子や娘も同意しており、このままだと
自分もその勢いにおされて売ってしまいそうなのだという。
店を経営するのでは有れば悪い噂が出れば致命傷になる筈だと
するが、祥明は呪いをかけることは信念に反することなので
出来ないことを語る。そもそも本人に嫌だと断ればいいのではな
いか?と告げるが・・・

夫を亡くした妻であり母が何故家に拘りを持っているのか。
そしてその拘りを持つ家に対して何故呪いをかけろと頼んでくる
のか。相反する主張の意図にどんなその人となりの人生が隠されて
いるのかが今回のドラマだった。

猫カフェの流れが安っぽすぎるのが少々残念だった。
このご時世、ご近所トラブルが多い中、ネコなどを飼うにも大変
な苦労があるとは思うけど、ご近所同士殺気立っている場所に
ネコカフェというのも違和感が有る。
寧ろ息子や娘が金の為に土地を売ろうとしているくらい
の方がドラマとしてはしっくりと来たのかも。

ただ前回も幽霊ネタだったし、ある程度化け猫伝説を絡ませる
為にネタとして扱うのも仕方が無いのだろうし、この街はキツネ
の街だとする中で、キツネくんがネコの問題に対峙していくという
流れは面白そうな題材では有った。残念ながらネコとキツネが
対峙していくような感じには見えなかったけどね。

色んな都市伝説ならぬその土地の噂話の真相を掴んでいくという
流れは面白く出来ていたし、事情を知ってみれば、誤解されて
いることも多いということは得てしてありえる事だと思う。
最後に祥明が昔からご近所トラブルは有ったとする説明が有った
けど、昔はこういうご近所トラブルに対して仲裁してくれるもの
が居たり、繋がりがある分、トラブルは長引かないだろうし、
街の噂も実際にはすぐに誤解だと気が付くところなのだろうけどね。

この街の気質である隣近所の協力の関係というものを描くために
小芝居を用意して、全員で問題解決に向かわせるという流れを
演出するのも面白く見せる為に努力はしているのだけど個人的には
安っぽさに拍車をかけてしまった感じはする。

相変わらず巻き込まれてしまう路子だけど、前回ほどには面白さは
伝わってこなかった。

しかし隣人同士、なかなか互いに遠慮し合って牽制し合ってしまう所は
切ないところだけど、その流れに早くに気が付いて良かったと思う。