相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)、徳永富彦(4)
真野勝成(7)(10)、近藤俊明(8)、池上純哉(9)
監督・和泉聖治(1)(3)(7)(10)、池澤辰也(2)(9)、橋本一(4)(6)
近藤一彦(5)、太田愛(8)

プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第10話 ストレイ・シープ〜右京を愛した謎の女!!多重誘拐、犯行予言…樹
海に眠る復讐の秘密神と呼ばれる犯罪者

--------------------------------------------------------
『あなた方はどう思うか。ある人に百匹の羊があり、その内の
一匹が逃げ出したとするならば、99匹を山に残してその迷い出
た一匹の羊を探しに出ないであろうか』マタイによる福音書。

村本朱実は村本博史の後妻で、二人の間には博史と前妻である
梶井素子という投資家の息子・修吾がいたが、養母と修吾は
とても良い関係を築いていた。そんな二人のことをターゲット
として捕捉し監視しているものたちがいた。二人はいつも行く
公園に行く中、修吾はトイレに入るがその際尾行していたもの
たちによって拉致されてしまう。

右京は紅茶店で知り合った西田悟巳の通夜に出席する。
右京は彼女と出会ったときのことを思い返していた。彼女は
紅茶を買いに来たものだが迷っていた際に右京はダージリンと
アールグレイを混ぜて飲むのも美味しいことだと語る。

そんな通夜の場で右京と遭う約束をしていた新井がやってくる。

一方橘高誠一郎衆議院議員は、飛城雄一と呼ばれる犯罪者の
情報を追っていた。触れ込め詐欺を初めとするシステム詐欺
など新しいタイプの犯罪を考案した人物で、警視庁が把握して
いる情報は実に乏しく、その犯罪者の顔さえ誰も知らなかった。
犯罪は組織的に階層化されており、直接連絡をとる相手以外
の構成員同士以外、顔や名前など知らなかったのである。
そんな事情を聞いて内村は「絆を重んじる従来の反社会的勢力
とは正反対だ」と語る。これは全く新しいタイプの犯罪だと。
高誠議員が問題視しているのは、そんな彼らが手にした金が
マフィアなどにも流れており、アメリカ政府からも懸念の声が
あがっていることだった。
甲斐峯秋や橘高は中薗に対して飛城の摘発の為にも情報の
収集の強化をするよう命じる。

右京は新井の名刺交換。新井は右京が特命係だという事を
知りどんな仕事をするのか尋ねると、「こぼれ落ちた何かを
拾い集める部署」である事を語る。
警察は悟巳の件を自殺だと思っている事。
彼女との出会いを聞かれ、紅茶店でフランスの画家バルテュス
が愛した紅茶のことなどを話したという。彼女と最後に逢った
のもその紅茶店だという。彼女は他にも自宅が貧しくて旅行
する機会がなかったが、彼女が16歳の頃に小田原の別荘にいく、
山荘には数十年に一度しか咲かない花があると聞いて見に行っ
たのだという。
新井からは呼び出したことへの趣旨が語られる。悟巳には
身寄りがなかったので私と友人が遺品を整理していたら
その中から右京宛のものが有った為に勝手に捨てるわけにいか
ないと感じてそれほ引き渡すために呼んだというものだった。
そこには彼女がブレンドしたと思われる紅茶と、手紙が入って
いた。

トオルには悟巳が亡くなった際に捜査をした所轄から情報を
集めてもらうと自宅で毒を飲んで自殺したとし、事件性も
ないと判断されたのだという。しかし遺書が発見されていない
とのこと。すると右京は遺書はこの手紙のようだと告げ、
僕のせいで死んだ様だと語る。
--------------------------------------------------------

元東京地検特捜班で有り現在衆議院議員をしている橘高誠一郎は
現在の振り込め詐欺を始めとする犯罪システムを作った飛城雄一
を検挙する為に警察組織に対して圧力をかける。
そんな中右京は自殺したという西田悟巳の件に関わっていた。
右京は新井という人物に呼びだされて悟巳の通夜に来ていたが、
彼からあるものを手渡される。悟巳が右京宛てに残したもの
だということで、右京は特命係のオフィスに持ち帰り開封すると
そこには手紙と共に紅茶葉をブレンドしたものが残されていた。

いよいよ2015年も始まりました。
相棒も後半戦に突入。その初回は、右京が過去の事件に於いて
恨みを買い、復讐の連鎖に巻き込まれてしまうという衝撃的な事件
だった。

ドラマとしては紅茶のダージリンとアールグレイという二つの
別の味を混ぜることにより新たな味が生み出されることが象徴
していることが全てだった。

テーマとしては近年の犯罪形態を反映したような組織犯罪であり、
そのシステムがかつてとは変わっていることを示している。
相棒が始まった当初は組織犯罪と言えば、同じ信念を持つもの
同士が絆を基調として集まり犯罪を犯すというもので、
赤いカナリアなんて左派の犯罪組織なんかの残党との戦いが有った
ことを考えれば、その形態が変わったことを示す流れが有り、
ドラマに於けるテーマを眺めると現実世界に於ける犯罪の推移を見る
ことが出来るものということで興味深いところに繋がって居る。

全く別の角度から一つの事件にたどり着けるという段取りで、
2時間半の時間いっぱいを使って、独立しているような流れを一本化
していく流れが有った。
ただこの作業はどうも野暮ったく、シーズン12の初回のように2時間枠
で治めれば良かったものの、2時間半のドラマだとラストは妙に冗長さ
が有って、見ていて飽きるところも有った。

自殺する為に偶然集まったものの中には思わぬ所で生き残ったもの
が居る。どうしても体格差によって最初に亡くなるものがいたり
亡くならないものが出てきてしまうというのも仕方がないけど、
生き残った理由を探す為に、その意思を引き継いで復讐を果たしていく
という辺りは不思議な因果関係が有り、興味深い流れでは有った。
ただどの流れも色んな意味で不条理過ぎていて、なんで新井が
犯罪を犯すのかって感じにも思える。そもそも犯罪のスキルを持って
いない男だし・・。

「相棒」の存在を強調するようにしてカイトが、相棒を助ける為には
嫌っている父親の力を利用していくことに躊躇いもしないとする決意
を見せて行動を起こしたこと。父親もまた絆としては希薄だけど
息子を信じて行動を取っているところなど、気難しい関係の中にも
一抹の愛情を感じる流れになっている。
それにイチイチ反応する伊丹刑事のリアクションとか面白かった。

久しぶりに右京さんのアクションシーン。
普段穏やかな人で相棒だけを見ている人にとっては違和感に写った
かもしれないけど、過去の水谷さんのドラマを見ていると、
どうしても乱舞無双して複数人相手にも倒していくというというシーンを
度々目にしてきたので違和感はそれほどなかったかな。まぁ年齢的な
ものは有るんでしょうけどね。問題は右京が相手を挑発する為とは言え、
悟巳は私のことが好きだとする辺りの流れだったでしょうか。
最後にフォローはしていたけどね。主人公が自分のことに自意識過剰気味
言及するとどうしても「こっ恥ずかしい」って感じがするから・・。

S5-11「バベルの塔 〜史上最悪のカウントダウン!」で登場した
シブイ刑事、日野警部補に最後に凄い大役を任せた辺りも
相棒好きにはたまらない演出にはなった。ただその際のCGがちょっと
幼稚っぽ過ぎた感じがして、リアルさを追求している相棒には
そぐわない感じがした。

社美彌子は1話に次いで再び登場したけど、なんだかよく分からない
役所だな。表に出ないところで色々と活躍する人がいるというのは
面白い設定だとは思うんだけどね。

そういえば今更だけど大河内は、花の里の女将が月本幸子に変わった
ということを知らなかったんだね。

そして毎年のことだけど、クリスマスに事件が起きるという流れを
見ると、どうしても正月に見るタイミングとしてはちょっぴり
違和感を感じたりするんだよなぁ。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

日野警部補 …… 寺島進 (スナイパー)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (内閣情報調査室、警視庁へ出向・広報)

西田悟巳 …… 石田ひかり (自殺、右京と紅茶繋がりで知り合う)
新井亮一 …… 平岳大 (飛城雄一を名乗る)
橘高誠一郎 …… 三浦浩一 (衆議院議員、元東京地検)
梶井素子 …… 川上麻衣子 (トレーダー、村本博史の元妻)
佐伯紫乃 …… 大家由祐子 (小料理屋"しの")
村本博史 …… 石橋徹郎 (朱実と再婚)
村本朱実 …… 佐藤友紀 (後妻)
村本修吾 …… (息子、誘拐される)
吉岡琢磨 …… 坂田雅彦 (素子の彼?)
飛城雄一 …… 横田栄司 (近代犯罪を生み出した伝説的犯罪者)
大杉鉄平 …… 松井工 (飛城の部下)
伊藤博美 …… 泉晶子 (62歳、素子に教わりFXに手を出し破産)
粕谷栄子 …… 山元雅子 (高級料亭"一松")
藤井貞雄 …… 後田真欧 (里保の彼)
生田里保 …… 前田聖来 (万引き、北海道)
中西 …… 内田工務店
越本 …… 金を盗んでバイクで走る
洋食斉藤

中倉健太郎、鈴木豊、村上新悟、長坂しほり、羽鳥慎一
今奈良孝行、辻つとむ、高木トモユキ、小井土一章
浅田光、嶋本勝博、新虎幸明、野沢由香里、高梨理央
石塚良博、鈴木太一、小多田直樹、浦野REN、上野龍之介
太田了輔、河津浩滉、津村純子、香川伸雄、池田倫太郎
山内理沙、柴崎真人、松本一歩、松田洋平、常住富大
石原茂史、もちひくや、大山竜一、柳川公輔、白井雅士
藤村周平、宮田博一、保科光志、花里弘二、依田真一、柳澤龍太郎



inserted by FC2 system