相棒 season 13
(2014年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本・輿水泰弘(1)(15)(16)(19)、森下直(2)、金井寛(3)(5)(6)(17)、徳永
富彦(4)(11)
真野勝成(7)(10)(18)、近藤俊明(8)、池上純哉(9)、藤井清美(12)
山本むつみ(13)、太田愛(14)
監督・和泉聖治(1)(3)(7)(10)(15)(16)(19)、池澤辰也(2)(9)、橋本一(4)
(6)(11)(12)(13)(14)(17)(18)
近藤一彦(5)、太田愛(8)

プロデュース・
音楽・池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_13/





第19話 ダークナイト
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深山育洋が自宅マンションでブート男に殴られ襲われる。
階段で逃走するフード男・・・外に出た後、フードを脱ぐと
なんとそこにはカイトの姿が有った。

IT企業・メディアドア社長の深山が襲われたとして警視庁でも
話題になる。暴走族をしていたホワイトタイガーのOBだが、
角田によると5年前に暴走族は解散。OB連中は半グレとして色々
と事件を起こしていたという。純暴力団としてマークしていたのだ
という。ただ最近のものは拠点や組織自体を持たず携帯を通じて
集まるのだという。深山を襲ったのは対立していたヤツなのか。
OBには事業で成功したものが多かった。そうした儲けは連中
たちにとって資金源となっているという。隠れた悪党を退治
しているのが、最近現れている「ダークナイト」と呼ばれる
犯罪者だった。これで5件目。2年の間に5件を起こしたという。
右京は1件目はH25 8/26危険ドラッグを卸していた元暴力団の
加藤実、2件目はH25 12/1 闇金のボス・岡田治仁が襲われて
いた。被害者によるとサングラスとネッグウォーマーで顔を
隠した赤いジャンパーの男に襲われたと証言しているとのこと。
3件目はH26 5/12に家出少女に覚醒剤漬けにして買収を強要
した矢口力也、4件目はH26 10/24貿易会社・本村交易の社長
本村正義が事務所前で襲われたこと。本村は暴力団のフロント企業
で、裏では人身売買、臓器売買に染めて疑われていたという。
5件目が今年初めての犯行だった。

カイトは右京が詳しく調べているのを知り興味が有るのかと
問う。一体何を目指しているのか。はき違えた正義を遂行する
ようになったのは何故なのかと語る。

カイトは峯秋の元にいくと、結婚する悦子は、父と子の和解を
望んでいたとし、芝居で良いので彼女の前では和解ということ
にして欲しいと頼む。

カイトは景子の3回忌に出席する。
梶祐一郎の妹・景子が通り魔によって殺されたのである。
カイトと梶は高校時代からの親友だった。梶はカイトに対して
年上の彼女との関係はどうかと尋ねると、現在白血病で入院中
だと語る。治療は順調だと語る。
カイトはその足で悦子の病院にいく。
高校の同級生だった梶のことが話題になる。悦子はカイトが
高校時代にはヤンチャだったとよく言うが、どの程度ヤンチャ
していたのかと問う。
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最近事件の影にダークナイトの存在が有るという噂がネットを
中心にして立っていた。手口は急所に一発打撃を加えた後に、
戦意を失った相手を痛みつけるというもの。しかし襲われるもの
たちは暴力団関係者で有ったり、何らかの犯罪が絡んでいる人物
だということで、世間ではダークナイトの行動に少なからず
称賛の声をあげて共感している事を語る。同様の手口の事件が
過去に於いて5件発生していること。右京はなぜはき違えた正義
を遂行するに至ったのか興味があるとして語る。
そんな中、政務活動費を不正に流用して愛人に貢いでいたという
辻堂匡臣(46歳)が殺害される。目撃者によるとこの事件もダーク
ナイトによる犯行だとするが、カイトはこれは模倣犯によるもの
ではないかとして訴える。右京もターゲットの質が違うこと。
今までは暴力的な連中に対してのみ暴力によって制裁を加えていた
が、夕べの事件は違う所で起こしているとして、その違いを指摘
していく。ダークナイトが人を殺したことで、世論は180度見方
が変わってしまい、それを受けた警視庁・捜査本部でも世間の
ダークナイトに対する憎悪が増しているので早急に逮捕しなければ
ならないことを語る。

アメリカのドラマでも近年はダークヒーローものが流行していて、
近年の日本のアメリカのドラマ人気を再燃させたものの一つとして
取り上げられるようになったけど、日本のドラマでもそうした
要素を取り入れて構成した話だった。

相棒では散々、右京の正義感が法治国家の名の下で、法に則った
制裁を求めるべきことを唱えているのに対して、その原則に当ては
まらず、取りこぼされたものにとっては、ダークヒーローの存在は
必要悪ではないかとする一面も感じさせる所が有る。そしてそんな
役割を相棒であるカイトに当てはめて行わせるという辺りの大胆さが
ドラマの中でキラリと光るものが有った。

長いスパンでこのドラマを見ている人に取っては、カイトがそんな
ダークナイトと化してしまった時期的な流れと同期して、どの
時点でそんな活動をしていたのか気になるところが有る。
勿論ドラマとしてはカイトがダークナイトだったなんて裏の一面を
描くことは確実に後付感でしかないし、カイトの父が
カイトを右京の相棒にしたことに対して、息子を警察から辞めさせ
たい意図が有ったなんて言われた日には、ちょっとできすぎだろう
みたいな流れが有り、まるで信憑性も感じない。
ただカイトが何故そんな人物像として成長してしまったのか。
そしてそんな犯罪を行い続けている意図に関しては、色々と
想像してみると楽しいものが有りそうだ。

相棒などに見るドラマは、ドラマの中の時間の流れを現実のスケジュ
ール/日時との整合性を図って描かれることが多いので、実はそれを
利用してカイトがどの時点で犯行を行ったのかを精査すると楽しいも
のが有りそうだ。

過去にダークナイトによる犯行は5件の事件が有ったとされていた。

1) H25.8.26 加藤
2) H25.12.1 岡田
3) H26.5.12 矢口
4) H26.10.24 本村
5) H27.3.4 深山

カイトが登場したのがシーズン12(2013年)

1件目は相棒の放送が無い時期での犯行。
2件目の事件はシーズン12の7話と8話の間に起こしている。
3件目も残念ながら放送がない時期。
4件目の事件はシーズン13の1話と2話が放送した頃。
5件目は現在起きていることである。

右京は最初から相棒のことを疑うハズはないとしていたけど、
ドラマを見ていると冒頭の中での右京のカイトに対する視線は
半端無く、疑っているところも有ったよな。

問題なのは大抵この手の犯罪者には、必ず犯罪を犯すきっかけが
あるハズで、その要因がカイトと父親との確執に有ったり、
恋人のガンが発覚した後の傷心故に起こしたストレス要因として
事件を起こしたなどのある種の起爆剤が有るとは思うのだけどね。
それが寧ろ世間から称賛を浴びることに一種の快感を覚えていた
というところなど、この辺は学生時代の"ヤンチャさ"が抜け切れて
いないところなのか。

ストレスを引き起こしていた要因は誰でもなく右京であったこと。
ただこれはカイトが右京の能力とか才能に嫉妬していたなどという
陳腐な理由ではなく、単なる正義に対する見解の違いとして描く
べきところが有ったのだろうなとは思う所。

色々とドラマでは突っ込み処も多く、カイトが「ダークナイト」
に対してそのキャラクター像に異様な固執を持っている辺りが
なんとも言えなかったし、まさに麻薬の様な状況に陥ってしま
っていたのだろうね。

右京は海外に行ってしまったけどやっぱりイギリスなのか。
最後の安っぽい飛行機の映像がチープ過ぎて泣ける。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (警部補・特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査一課)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査一課)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (二代目"花の里"女将)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (国際線・客室乗務員、享の彼女)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁・次官)

梶祐一郎 …… 鈴木裕樹
辻堂匡臣 …… 岡崎宏
種村和真 …… 瀧川英次

嶋崎伸夫、進藤健太郎、中島妙子、石川伸一郎、内藤裕志
小林真由、勝光徳、宮平安春、山賀教弘、川辺邦弘、斉藤祐一
松本舞、嶋田翔平、嶋本秀明、高島大幹、高橋里英
伊藤智美、豊田一也、浜田大介、倉本宇雨、泉拓真、照須アキ
上田晟人、所博昭



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