警視庁捜査一課9係 11
(2016年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本/深沢正樹、岡崎由紀子、真部千晶、瀧川晃代
徳永富彦、ハセベバクシンオー
監督/杉村六郎、新村良二、長谷川康、吉田啓一郎
ゼネラルプロデューサー/松本基弘
プロデューサー/峰島あゆみ、金丸哲也、中尾亜由子
音楽/よしかわ きよし
主題歌 V6「Timeless」

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari_11/





第6話 花の殺人

監督/吉田啓一郎 脚本/保正和之
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直樹は倫子の変わりに朝食を作る。しかし電話で仕事にいく
事になる。

事件が発生したのはアトリエ"Saya"だった。こんな現場は始めて
だとし、これは自殺なのか他殺なのか見たものは迷う。
被害者は葛城沙耶(35歳)。日本屈指のフラワーアーティストで
前衛芸術家だという。加納はこれは本物の生花が使われている
とし、よく出来ていると語る。第一発見者はアシスタントを
している赤峰美紀(27歳)とギャラリーのオーナー、沙耶のマネジ
メントをしている香坂亮一(38歳)で、彼も第一発見者だった。
個展の準備で来たという。工房に防犯カメラはなく鍵も普段
先生はかけてはいなかったとのこと。しかしここにある飾り付け
は明らかに彼女の作風だと語る。人工的に作られた花の人工
保存花を使っているのだという。

検視官・真澄によると死因は手首からの出血による失血死。
現場に落ちていたカッターの刃型と一致するとのこと。胃から
は睡眠薬が検出し昨夜22時から23時に服用しているという。
体温の低下や死斑、死後硬直から見て睡眠薬を服用と手首を
切ったのは同じ時間帯だという。

ブリーフィング。
沙耶は長野県出身。20歳の時かに両親を事故で亡くし、美術専門
学校を出て30歳の時に個展をしているという。人付き合いは
苦手で変わり者のように見られていたという。
発見者の亮一と美紀は事件当時自宅にいたと証言していると
いう。作業用カッターから指紋は沙耶のものだけで、現場の指紋
は沙耶と美紀のものだけだという。依然として自殺か他殺か断定
することは難しかった。

沙耶の部屋を調べる。
一体彼女はどんな人物だったのか。そんな中沙耶の写真には
元華道家で倫太郎の亡き元妻の姉の早乙女静香が写っている
ことが分かる。話を聞きに行くと7年前に彼女は突然ニューヨー
クのアパートを尋ねて来たのだという。写真はセントラルパーク
とのこと。作品や人生について聞いて来たとし、どんなものを
作りたいかとか創作とは何かを語り合ったという。彼女にとって
創作は生きて居る意味全てだと語っていたとし、作品がつくれ
なければ生きてる意味がないとしていたとのこと。情熱の裏に
生き急ぐ危険な情念を感じたとのことだった。
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何だか分かり易いような分かりづらいような話だった。

どうしても失血死と判断されている現場に血痕がまるで無い
というところで遺体は動かされたのだろうとして見て居たのだ
けど、動かされた形跡はない。自分の死を復讐に利用しよう
としている訳だけど、それなら自殺して相手を破滅させよう
とするずるがしこさが求められる。結局本当に彼は彼女を殺害
しているので、彼女が破滅させた意味もなくなってしまって
いるし、今回のエピソードって先週の「殺人ヨガ」でスタジオ
を乗っ取ろうとした共同経営者の流れとかなり類似している
部分が有り、その辺はスタッフ側から脚本家にオーダーでも
有ったのだろうかと勘ぐってしまうところも有る。

ダイイングメッセージに関してもやっぱり鑑識とか刑事が
最後の被害者の声を拾い上げるのが仕事とは言え、
彼女の芸術のことや、その意味まで知り得ないとなかなか意図が
見えてこないというのは難易度の高いものが有る。

美術評論家の一声によって人生が左右されてしまうという切なさ
は有ったし、相手のことが好きで、その相手に献身的に尽くして
自分の意思を殺したとしても、必ずしも相手が同じように考えてくれ
という保障はないということで、人間関係・恋愛・男女の難しさ
というものを感じる。

婚約者との関係はともかく、ちょっとアシスタントとの関係が
分かりづらかったのが残念だったかな。

両親を亡くして天涯孤独の彼女。そんな彼女のことを誰かが見て
くれているというテーマも有りそうな感じで、千秋というファン
が見て居る流れなど、奇抜なものだけど、そういう人がいたこと
にもう少し被害者も喜びを感じられたら良かったのにね。


加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査部長)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長)
青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補)

早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医)
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)

葛城沙耶 …… 青山倫子 (35歳、前衛芸術家)
香坂亮一 …… 渡邉紘平 (38歳、ギャラリーオーナー兼マネージャー)
赤峰美紀 …… 中丸シオン (27歳、沙耶のアシスタント)
早乙女静香 …… 野際陽子 (7年前沙耶とN.Yで逢っている)
城崎佳苗 …… 奈良富士子 (48歳、フラワーアーティスト、3年前に・・)
田沢君也 …… 不破万作 (66歳、美術評論家の重鎮)
森屋千秋 …… 梅舟惟永 (沙耶のファン)
藤山聖子 …… 小倉百代 (雲仙流家元三女)
高木浩介 …… 針原滋 (沙耶の弁護士)

新貝文規



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