警視庁捜査一課9係 11
(2016年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

脚本/深沢正樹、岡崎由紀子、真部千晶、瀧川晃代
徳永富彦、ハセベバクシンオー
監督/杉村六郎、新村良二、長谷川康、吉田啓一郎
ゼネラルプロデューサー/松本基弘
プロデューサー/峰島あゆみ、金丸哲也、中尾亜由子
音楽/よしかわ きよし
主題歌 V6「Timeless」

http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari_11/





第10話 追憶の殺人

監督/細川光信 脚本/徳永富彦
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2015年4月7日、森家で事件が発生する。
被害者は森登志子(64歳)。午前11時30分にこの家から飛び出す
不審な男性の110番通報が有ったという。死因は窒息死で首に
扼殺痕有りだった。隣の住民が午前11時にドアのチャイムが
鳴るのを聞いたという。
そんな中犯人らしき人物を逮捕したという。名前は渡辺哲(あきら)
で、7年前に強盗傷害で実刑判決を受けていた。茨木刑務所で
服役し昨日仮釈だったという。逮捕の際に暴れられて警察官が
怪我したとのこと。

4月7日・正午に逮捕。
犯人はパトカーの中にいるという。加納は渡辺の隣に座ると
彼は外を見て微笑むのを目にする。殺した人間にしては晴れや
かだと感じる。取調室の彼は平凡だった。7年前に度々空き巣
を繰り返し2008年3月26日に空き巣に入った所、帰ってきた家主
と鉢合わせになり揉めた挙げ句に金品を奪って逃走。家主はその
際に階段から落ちて頭部を強くウチ亡くなっていた。強盗傷害
で捕まる。今回も同じことを繰り返してしまったのではないか。
留守を確認して空き巣目的で侵入。中に人がいて襲ったという
もの。
しかし渡辺は突然自分はやっていないと主張する。
しかし逮捕時に持っていた登志子の家の物品が確認されていた。
コインランドリーに行ったら何者かが乾燥機の中にバッグを
入れたとのこと。その男が殺害したのだという。似顔絵作りに
協力してもらうという。

9係の捜査官たちは時間稼ぎをしているのではないかと疑う。
48時間で検察に渡すか決めなければならないこと。
取りあえず似顔絵の相手を探そうと語る。

4月8日、犯行時刻の11時から12時の犯行現場から半径200mにある
防犯カメラ映像を集める。全部で24台有った。中には36人が
写っていたが渡部も写っていなかった。
渡辺に写真を見せるが犯人は居ないという。そんな中思い出した
ことがあるとして、ひのきデイサービスの給食サービスの車
を見かけたというものだった。明日の正午まで送検する方向で
進めることを志保は語る。

4月9日、送検。
ひのきデイサービスの菊池利一から配達について尋ねる。
この日は客が旅行中だということで車で通りはしたが配達はして
いないとのこと。

4月10日、勾留請求10日間。
北区で見つかったカメラにデイサービスの配達員が犯行時刻に
写っているのを確認する。

4月19日、拘留延長請求
4月29日、公判請求・起訴
6月19日、公判弁論手続き・結審
6月27日、判決公判
7月10日
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加納は今回の扼殺事件に於いて、物証も目撃証言も全てが現場
近くにいた渡部哲を差していたが、どうしても彼を初めて見た
際に笑っていたことが気になっていた。とても人殺しするような
人物ではないこと。しかも彼が言うことは偽証と悪態ばかりで
反省している姿が無く、検察側には心証も悪かった。
加納は違和感が有る為に拘留期限ぎりぎりまでこの事件の捜査を
して真相を解き明かしたい思いが強かった。

人が無意識に見せる「顔の表情」というのがポイントとなった
この事件。
加納は初動に於いて渡辺の表情を見たのが疑問点の始まりだし、
倫子はこのシーズンに入って、父親を嫌悪する中に、「家庭を
顧みず仕事をする表情」に何処か突っかかる光景が有る。

それぞれの全く接点の無さそうな二人の人物が運命によって
引き寄せられる様が興味深く描かれており、どちらも境遇として
は似たところが有る。

人生には浮き沈みがあるものだけど、どちらもスタートは底辺から
始まり、一時期は栄華な時も経験するが、バブルな信用している
人間からの裏切りによって、なかなか他人を寄せ付けない性格
のまま人生の終わりを遂げようとしている。それでも最後は
誰かの前で死にたいという思い。
手紙のやりとりで救われたこと。その恩返しに女性を殺すという
流れが有るが、やっぱりこの二人は最後まで人間関係に於ける
運のなさみたいなものを持ち合わせていて、哀しいまでに今生に
於いては運がなかった。

時間をかける意味があったのかどうか。
相当捜査に時間をかけた案件ということも有って非効率的だけど、
青柳がこういう時に渋いことを語る所があるんだよね。
捜査官の捜査によって人を死に追いやろうとしている事件を
安易に結論づけるべきではないこと。

心中は殺人の後の自殺が定義で、一事不再理の原則もあって、結局
結論的には何も変わらないけど、その誰も知らない部分を加納と
いう人物がすくい上げるというのだから流石だ。


加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部)
浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査部長)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長)
青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補)

早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医)
石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女)
矢沢早苗 …… 畑野ひろ子 (矢沢の妻)
早乙女静香 …… 野際陽子 (加納倫太郎の元妻の従姉)
鑑識 …… 新貝文規

渡部哲 …… 小野武彦 (71歳、8年前の強盗傷害致死で服役)
森登志子 …… 多岐川裕美 (64歳、認知症、元ホステス)
菊池利一 …… 大塩ゴウ (ひのきデイサービス)
夏目唯宏 …… (検察)
川端由紀夫 …… 笠兼三 (検察官検事)
折口作之助 …… (検察)
谷崎賢治 …… (被告側弁護士)
目伏治 …… (刑務官)

松村慎司、ノモガクジ、後藤公太、永野典勝
小林尚臣、駒走秀樹、井出雅起、兵頭莉音、森川馨華、野口真見
椎葉昌紀



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