警視庁捜査一課9係 11 (2016年4月期・テレ朝・水曜21時枠) 脚本／深沢正樹、岡崎由紀子、真部千晶、瀧川晃代 徳永富彦、ハセベバクシンオー 監督／杉村六郎、新村良二、長谷川康、吉田啓一郎 ゼネラルプロデューサー／松本基弘 プロデューサー／峰島あゆみ、金丸哲也、中尾亜由子 音楽／よしかわ きよし 主題歌 V6「Timeless」 http://www.tv-asahi.co.jp/9gakari_11/ 第11話 殺人メッセージ 監督／杉村太郎 脚本／深沢正樹 -------------------------------------------------------- 加納は警視総監の神田川から呼び出される。 今日こんな本が手に入ったとして加納に見せる。 「ルルージュ事件」。世界最初の長編ミステリーだという。 沢木堂という古本屋からのもので気になる献辞が書かれていた。 「日本の警察へ、この国から冤罪は無くならない」。 何故そのようなことが書かれているのか。小説は夫に先立たれた ルルージュ夫人が殺害されるというストーリーだった。 一週間前に同様の事件が発生していた。田園調布の大富豪の夫人 が殺害された事件で相続権を巡るもの。現場から逃走する姿を 目撃された相続人の甥の寺田正志(31歳)が逮捕されているという。 その姿を恋人の片山亜津美も見守っていた。しかしこれは8係の 事件で、我々が捜査に関わるには問題があるという。 直樹は早乙女のガーデニングを手伝わされていた。 ガーデニングに於ける順番・手順の違いを指摘される中、 彼女はあなたたちの関係も順番が違うでしょという。倫子から のプロポーズ。ちゃんと返事もせずになし崩し的に一緒に住んで いること。自分の気持ちを素直に伝えるのは難しいという。 そんな中、田野倉義則(52歳)がボルダリング場で落下して死亡する。 週刊スクラブの記者で、勝手に施設に入ってやっていたのではない かとされる。しかし頭に粉が付着していた。 青柳たちは田野倉の自宅アパートを調べ、直樹たちは雑誌社を 調べに行く事になる。遺体を調べていた真澄は、頭頂部に挫創 が有り、髪の毛に黄色い粉の付着物が有り、右第2指先端に 茶色の付着物を見つける。髪の毛の粉はハイビスカスの花粉 だった。右手の爪の中には、胃の内容物からコーヒーだろうという こと。気になるのは死因であり、頭頂部の骨折による脳挫傷は ボルダリングの落下によって出来るが、陥没骨折にはならない という。ここから落ちても頸椎骨折がせいぜいだという。 田野倉家へ。 彼は田園調布の資産家夫人・安養寺千寿子(72歳)の事件を調べて いた。犯人は寺田正志だと聞いて青柳は顔色を変えていく。 スクラブにいくと被害者の田野倉はデカいスクープを狙うヤツ だったとし、田園調布の資産家の事件を調べ何かを掴んでいた 様だったという。警視総監が調べ直せと言っていた事件だと。 被害者の安養寺千寿子は一年前に殺されていた。 死因は後頭部を殴打されたことによる脳挫傷。被害者の甥の 寺田が逮捕されていた。千寿子の20年前に亡くなった妹の息子 が寺田で、元暴力団・竜丸会構成員の前科2犯だった。 覚醒剤取締法で寺田を逮捕したのが青柳だったという。 -------------------------------------------------------- 基本的にはえん罪事件を描いたものだけど、ドラマを通して見る と中途半端な状態で同棲し始めた直樹と倫子の関係に向けた メッセージを含んだ流れとして描かれた物語だった。 ただ気持ちはこれまで直樹が倫子に伝えてきた訳だし、女性から のプロポーズで有っても別に今の時代良いのではないかと思う。 男性から改めてプロポーズさせようとするところは、脚本家の 昭和度を強く感じさせるものが有るし、この二人の関係って 少々これまでグダグダしすぎていたので、また面倒な流れを作る のではないかと思いちょっとヒヤヒヤさせる内容だった。 沢木から神田川に伝わったメッセージを加納が受け取り捜査を していくことになるけど、その辺の流れが少々胡散臭くなった のは残念だった。せめて沢木が元刑事という設定でも良かった のではないかな。 本屋でメッセージを受けて捜査を開始する。まるで昔のスパイ もののドラマを見て居るようだ。 どれだけ過去に罪を犯した人物を信じられるのか。 なかなか興味深いものがあるし、過去に青柳が覚醒剤の件で 捕まえたという流れから、またしても妙子に繋がってしまうのか 長年このドラマを見て居る人には不安に感じるところも有ったかも。 過去の事件と現在の事件の融合のさせ方については最早言うことは 無い程よく出来た内容だったと思う。 ただ一つ言わせてもらうと一年前に殺害した凶器を手元に置いて 置くだろうか。 花粉とか雑貨品、コーヒーからどういう意図をもって行動していた のかなど突き止めていく辺り、鋭いところも有ってなかなか上手く 真相にたどり着けたなと。 シリーズのことを考えると渡瀬恒彦さんの体調が気になるな。 加納倫太郎 …… 渡瀬恒彦 (9係・警部) 浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (9係・巡査部長) 小宮山志保 …… 羽田美智子 (9係・巡査部長) 青柳靖 …… 吹越満 (9係・警部補) 矢沢英明 …… 田口浩正 (9係・巡査部長) 村瀬健吾 …… 津田寛治 (9係・警部補) 早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (東京都監察医務院に勤務する監察医) 石川倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の彼女) 矢沢早苗 …… 畑野ひろ子 (矢沢の妻) 早乙女静香 …… 野際陽子 (加納倫太郎の元妻の従姉) 鑑識 …… 新貝文規 神田川宗次朗 …… 里見浩太朗 (警視総監) 沢木泰久 …… 北村総一朗 (古本屋) 寺田正志 …… 福崎峻介 (相続人の甥、暴力団・竜丸会の元構成員) 安養寺千寿子 …… 田岡美也子 (72歳、田園調布) 柴田彰良 …… 中西良太 (弁護士) 羽根村源介 …… 浜田晃 (議員) 田野倉義則 …… 奈良坂篤 (記者) 片山亜津美 …… 堀口ひかる (寺田の恋人) 小池清次 …… 諏訪太朗 (竜丸会) 有希九美、高草量平、福山廉士、尾崎雅幸、赤川千尋