三日遅れのハッピーニューイヤー!
〜2006年の忘れ物〜

脚本/渡辺啓
出演/石垣佑磨、大谷允保、石田未来、中尾明慶、佐田真由美
伊藤裕子、青木伸輔、白石知世、岩橋道子、矢島健一、仲本工事
おかやまはじめ、若杉宏二、正名僕蔵、あじゃ、マッスル

http://www.tbs.co.jp/mikkaokure/

スポンサーの大塚製薬、NISSAN、KOSEとのコラボレート作品。

大抵のドラマではドラマの中に出てくる備品や小道具を
スポンサーの製品で固めて登場させるものだけど、今回の
このドラマではそれを踏まえて、よりスポンサー色を前面に
出した演出が数多くの場面で見られた。ビールを飲めばカメラ
写りの良い角度で商品名を見せられたし、飲料水も一貫して
ポカリスエットが使われた。主人公の一人はNISSANのマーチに
乗っていたが、彼女がこの車に拘るコンセプトなんかも
伝わってくるようなセリフ回しがあったりして、もの凄く
商品に対するアピール性の強い内容だったと思う。

更に凄いのがドラマ中に挿入されるCMには出演している俳優陣
が使用された事だ。これだけなら珍しくはないのだが、
CMの中で描かれている事はどれもドラマと関連しており、
ドラマをより重厚に描くためのストーリーとして描かれている。
1時間20分程度の枠で描かれていたドラマではあるが、この様な
コンセプトでCMが挿入されているために、実質ノーカットで
ドラマが進行していると錯覚するほどのものだった。
こういう作り方も斬新で面白い。

さてドラマの内容は、恋と夢と家族という要素を面白く絡ませて
描いた話しだった。
どの登場人物も地方から夢を追いかけて東京に出てきた様な
役柄であり、東京という都会に対する憧れと失望を人生模様を
交えて上手く描いた話しでも有った。

東京の象徴でもある東京タワーが常に見える場所で繰り広げら
れるドラマという事で、3組のそれぞれの物語が巧みな形で
別のドラマに関わってくる。それぞれのシナリオにバトンを手渡
すようにして物語を進展させていく辺り、とても技巧的なドラマ
だった。中にはちょっと強引な橋渡しも有ったが、その辺は
大目に見ましょう。

夢の為に家族を犠牲にしてきたものたちが、最後は原点に立ち返り
再び今年の抱負を打ち出していくような強いメッセージ性の有る
内容で、新年早々なかなか面白いドラマだったと思う。

またラストの石垣佑磨と大谷允保の2ショット場面はなかなか絵的に
も見事な作り。


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system