赤い運命 2005年度版

脚本/関えり香
出演綾瀬はるか、船越英一郎、榎木孝明、佐藤千亜妃、玉木宏
神山繁、紺野美沙子、渡辺いっけい、麻生祐未、伊藤かずえ

少し放映からは時間が立ってしまいましたが、録画して置いたビデオを
見ました。

2話まではもの凄く中毒性の有る展開だったかな。

初めから視聴者に子供が入れ替わった事実を全て公知している
にも関わらずこれだけ中毒性が有ると言うことは、凄い事だと思う。
それだけ2つの全く違った境遇というのが天と地ほどの対称的なもの
として描かれており、その対称的な入り口はあまりに紙一重なモノ
として存在しているからでしょう。

ドラマとして2話までが面白かったというのは、やはりこの時点で
ほぼ全ての事実が一部の主要人物を除いては全て知れ渡ってしま
った事。そしてここからは、完全にテーマが入れ替わり、
戦争の被害者という点が前面に出た事で、展開としては興味を
失った感じがする。
戦争という重いテーマが隠されていたわけだけど、時代背景が
やや稀薄に描かれている為にイマイチだったのかな。

時代が経過した事で色褪せてしまった演出も数多く見られた。
ホクロ以外の確証もないままにドラマが進行してしまう点。
またDNA検査が容疑者特定への決定的な拘束力を持つ現代から
すると、裁判は実に面倒くさい手順を踏んでいる感覚に陥る。

複雑な葛藤に於ける余韻も時間的な制約の為、全ての端々を
切られた感じがしてくるのもマイナス要因。

また榎木孝明は実に良い人を演じていたわけだけど、他人の為に
親子の絆を犠牲にするというのも普通では考えづらい価値観の
様にも感じた。
理由はどうであれ凶悪犯に自分の娘を託す危険さ。血が繋がら
ないと分かったときには尚更のことではないかな。

しかしそんな事を差し置いても、綾瀬はるかの純粋さを現す
魅力は感じることが出来た。

評価:★★★☆☆

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