金田一シリーズ第5弾 悪魔の手毬唄

呪われた村に起る連続殺人と奇怪な手毬唄の謎!
血ぬられた過去の怨念と哀しき愛が絡む史上最大の難事件!


脚本/佐藤嗣麻子
脚本協力/小川智子
監督/星護

【第1弾 犬神家の人々】
【第2弾 八つ墓村】
【第3弾 女王蜂
【第4弾 悪魔が来りて笛を吹く


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橘署長からの紹介で、静養のために訪れた鬼首村で起こる連続
殺人事件。
人気歌手の大空ゆかりが帰郷するとの事で賑わいを見せる中、
亀の湯という古い温泉旅館で出会った"おしゃべりの庄屋"こと
多々羅放庵。翌日、手毬歌について彼の家を尋ねると、家の主
は居らず、障子紙には血の跡。すぐに警察を呼ぶと飛んできた
のはなんと橘署長だった。彼から23年前に起こった殺人事件の
話を聞かされることになる。
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20代目・稲垣吾郎版金田一耕助の第五弾。
一体何度リメイクされるのかというくらい繰り返し取り直され
ている"悪魔の手毬唄"を描いた。

昭和30年代の田舎が舞台と有って、撮影には難しいモノが有った
のではないだろうかと視聴者ながら気になってしまう作品。
更にドラマでは23年前に遡る為に、より古い映像がドラマの中
で要求される。この回想シーンはこのドラマの中で一番よく
表現されたものだった。

ドラマ登場人物の多さによく見ていないと誰が誰なのかよく
分からなくなってしまいそうな内容だ。

ドラマとしての最大の見どころは、何と言っても手毬唄になぞ
って殺人が行われるという段取りに有るのだが、型にハマり
過ぎて逆に現実味を疑う様な出来すぎた感が有り、殺人の為に
歌を作ったのではないかというくらい違和感が存在する。
更に殺人現場にわざとらしくその家を象徴する置物がしてある
所などちょっとやり過ぎではないかという気がする。
康子が殺された現場は口に漏斗を加えさせていたが、何処か
滑稽な感じがするし、文子の遺体は宙に吊されている訳で、
人に見られずに遺体をあの状態にするには、女性一人では
難しいのではないかと思わせる。

歌の内容も一見しただけだとイマイチ分かりづらく、歌の中に
ヒントが有るとドラマとしても盛り上がるのだが、事実の追従
にばかり終始し、やや効果的には薄いような演出にも見える。

ドラマ最大のサプライズは、文子も康子も千恵子も全て同じ
父親で有るという現実だろうか。そして里子さえも名前は違う
が同じ父親であることが分かるときの衝撃。即ち恩田幾三の
正体が分かる瞬間であり、種明かしの場面の迫力は、この
ドラマ最大の見せ場でも有った。かたせ梨乃も交えて凄く凝った
作りになっていたのは良かったが、ちょっと尺的に長すぎるか。

お正月恒例のシリーズとしてはなかなか見応えがあるが、
出来れば二時間枠にきっちり収めて欲しい。

金田一耕助 (稲垣吾郎) 探偵
横溝正史 (小日向文世) 小説家
橘署長 (塩見三省) 警察官

青池歌名雄 (平岡祐太) 長男
青池里子 (柴本幸) 次男。顔にアザ
青池リカ (かたせ梨乃) 亀の湯の女将

大空ゆかり (山田優) グラマーな芸能人
別所春江 (田岡美也子) 母親
別所辰蔵 (有薗芳記)

由良泰子 (中丸シオン) 娘。窒息死
由良敦子 (山口美也子) 母。枡屋
由良五百子 (佐々木すみ江) 祖母

仁礼嘉平 (石田太郎) 秤屋
仁礼咲枝 (仁科亜季子) 嘉平の妹
仁礼勝平 (山崎裕太) 息子
仁礼文子 (多岐川華子) 娘。第一の被害者

恩田幾三 (谷原章介) サギ師
多々羅放庵 (麿赤児) 庄屋
犬塚弘 (本多医師)
お幹 (藤本静) 亀の湯

阪田マサノブ、田鍋謙一郎、中島陽子、森康子
山崎秀樹、山肩重夫、新野彩子、直林真里奈、松尾美紀
松岡璃奈子、岩田丸、土田アシモ、五頭岳夫、桜山優
鬼界洗巳、森田拓馬、花田奈美、野貴葵、田辺凌鶴
神田春陽、太田雅音、大成雅志、鐘ヶ江亮、窪田健志
山田哲広、金光歩乃佳、小林さゆみ、上村紗耶、前田直人
吉澤天純、辻端優里

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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